約束という名の鍵
「何だよ、じゃねーよ馬鹿!
なーにじっと見つめちゃてる訳!?」
光が悔しそうにギャーギャー騒いでいる。
「五月蝿いよ光。男の嫉妬は見苦しいぞ」
「っな……! 言ってくれるじゃん」
光は拳を固く握り、ワナワナと震えている。
「この馬――モガッ!」
「ほら、それ食って落ち着け」
時雨が光の開けた口に問答無用で買っていた菓子パンを突っ込む。
すると光は拳を下ろしてパンをもぐもぐと食べ始めた。
どうやら空腹で気が立っていたらしい。
全く、どこの野性動物だよ……と呆れながら、光が食べ終わるのを待つ。