約束という名の鍵
「本当か~?」
「本当だよ。さっきお前が食ったパンに誓って」
「薄い誓いだな」
「そこは気にしない、気にしない」
そんなこんなで光を宥めすかしているとチャイムがなった。
「じゃあな」
「うん」
そう言って光は自分の席に帰って行った。
「授業始めるぞー」
次の時間は地理だった。 教師の間延びした声が教室に響く。
(そういえば光に構ってて見てないけど、楓は昼ごはん食べたのかな?)
そんなことが頭をよぎったが、
「おーい蓮下、ノート開けよー」
「あっ、すみません」
考え事をしていたせいで何も授業の準備をしていなかったため、注意されてしまった。