約束という名の鍵
「ねぇ君達はどんなに偉い人達なの?」
「はぁ?」
時雨はにこやかに、しかし声音は絶対零度のように冷えていた。
「君達は大統領なの?神様なの?違うよね?
なんの権限があって楓を馬鹿にしてるの?
どんなに偉かろうと、言って良いことと悪いことがあるよね?
君達に楓が何をしたの?なんて言葉をかけたの?」
「な……何もしてないわよ……」
佐々木は時雨の言葉を聞いて気圧されたらしく、言葉に詰まっていた。
「ならどうして、楓を馬鹿にするの?」
「そんなの冗談よ、冗談。暇だったからに決まってるでしょ。
何、本気にしてる訳?」
佐々木は開き直った様にそう言った。
その言葉に時雨は、身を業火に焼かれるほどの熱を感じた。
そして、頭のどこかが焼ききられた音がした。