約束という名の鍵
時雨は何度も大通りに来ているので、クレープの店がどこにできたのか、だいたい予想できていた。
しかし、楓は大通りに余り来たことがなく、道を知らなかった。
「ここの辺りはいろいろあるのね」
「まぁ大通りに近い分、人も多いからね。
だからこの辺りでも物が多いんだろうね」
楓はキョロキョロと周りを見回して楽しそうだった。
楓にこれ程喜んでもらえて時雨は嬉しかった。
「あ、本屋さんがある」
「楓いつも本を読んでるよね。
帰りにでも寄る?」