約束という名の鍵


時雨は何度も大通りに来ているので、クレープの店がどこにできたのか、だいたい予想できていた。


しかし、楓は大通りに余り来たことがなく、道を知らなかった。


「ここの辺りはいろいろあるのね」


「まぁ大通りに近い分、人も多いからね。
だからこの辺りでも物が多いんだろうね」


楓はキョロキョロと周りを見回して楽しそうだった。


楓にこれ程喜んでもらえて時雨は嬉しかった。


「あ、本屋さんがある」

「楓いつも本を読んでるよね。
帰りにでも寄る?」



< 72 / 77 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop