色恋 〜Colorful Loves〜
CLEAR - 硝子のハート
《硝子のハート》
*
「けいちゃーん、会いたかった〜!」
「ちょっ、近づかないでよ暑苦しい!」
大好きなけいちゃんに抱きついた瞬間。
思いっきり押しのけられて、
ぱりーん。
僕の繊細なガラスのハートは、粉々に砕け散った。
「………けいちゃんひどいー、久しぶりに会えたのにー………」
僕が涙ながらに訴えると、けいちゃんは「バカじゃないの」と一蹴した。
「なにが久しぶりよ。おととい会ったばっかりじゃない」
「一日会えないだけでも、僕はけいちゃんが恋しくて禁断症状が出ちゃうんだよ」
「ばっ、ばーか!」
けいちゃんはごつんと僕の頭を小突いた。