色恋 〜Colorful Loves〜
僕はこんなにけいちゃんのことが大好きなのに、こんなに愛してるのに。


どうしてけいちゃんは、大っ嫌いなんて言うんだ?



しゅんとして俯いていると、けいちゃんがこちらを見る気配を感じた。




「……うそに決まってるでしょ。

大嫌いなやつと付き合うわけないじゃない、ばーか」




ぱっと顔を上げると、真っ赤な顔を仏頂面にしたけいちゃんが僕を見つめていた。



そして。



ちゅ。



けいちゃんの唇が、ちょこんと僕の頬に触れた。




けいちゃんはすぐに恥ずかしそうに、ぷい、と顔を背けてしまったけど。



砕け散っていた僕のガラスのハートの破片は、とろとろに溶けて、つながりあって、すっかり元通り。




< 113 / 136 >

この作品をシェア

pagetop