色恋 〜Colorful Loves〜
でも不思議なことに、佐藤からぼろくそに罵倒されたことで、妙にすっきりとした気分になってきた。





スマホを手に取り、メール画面を凝視する。






『実は、ずっと前から他に付き合ってる子がいる

楓のことよりも好きになってしまった

彼女と結婚しようと思ってる

別れてほしい』






一週間前に届いたこのメールを見た瞬間、目の前が真っ暗になった。




あたしは、こんなふうにあっさりと別れを告げられてしまうくらい、軽く思われてたの?




あたしって、そんなに無価値な人間なの?





それからあたしは、仕事から帰ってくると電気もつけずにこのメールと睨み合って、何も考えられずに無気力な日々を過ごして。




追い打ちをかけるようにもう一度『別れてほしい』というメールが届いたとき、




もういいや、死んじゃおう




と決意したのだ。




それがつい二時間ほど前。





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