色恋 〜Colorful Loves〜
ーーーぼしゃん!





ビールの飛沫がグラスから飛び出す。



黄金の雫がテーブルの上に散った。






「え、わ!?」






佐藤が驚いたように中腰になって、呆然とグラスを見つめた。




正確に言うと、グラスの中の黄金の液体に沈んだスマホを。






「………お前、」





「これ、あいつに買ってもらったスマホなんだよね………」





あたしはぼそりと呟いて、グラスの中でぷくぷくと泡を立てるスマホを見つめた。





「………もう、いいや。

こんなのいらない。

あいつからの連絡とか、見たくないし」





あたしがきっぱりと言った瞬間、佐藤がぶっと噴き出した。





「お前、思い切り良すぎだろ!

ってか何もケータイ沈める必要なくね!?

着信拒否すればいいじゃん!」





佐藤は涙目でげらげらと笑いながら、あたしを指差した。





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