色恋 〜Colorful Loves〜
「………あのねぇ」







橋本くんが頬杖のまま、優しく目を細めて私を見つめている。







「ため息ってさ。


ほかの人がついてるの聞くだけで、なんとなーく暗い気持ちになるでしょ?



だから、ある人がため息つくと、その周りにいる人まで、プチ不幸になっちゃうの。


だから、ため息はだめなの」







すごく真面目なことを言っているのに、




プチ不幸、という言葉の軽さに、私は思わず吹き出してしまった。






すると橋本くんが、「おっ」と声を上げて頬杖を外し、目を丸くして私を見つめる。






「あずさんが笑った。


ふふ、嬉しいなぁ」






へらっと顔をくずして橋下くんが笑ったので、私はなんだか照れくさくって、顔を俯けた。






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