色恋 〜Colorful Loves〜
ミナコって、誰?




あたしはチサトだよ。





あーあ、くだらない。




あたしって、ほんと馬鹿。




馬鹿馬鹿馬鹿。



大馬鹿も大馬鹿。





あたしは裕の手を振り払って、ベッドから立ち上がった。





ゆうべ、裕が寝てから、裕の電話が鳴った。





シャワーを浴びて上がってきたあたしは、それを聞いて、ほとんど無意識にその電話をとった。





聞こえてきたのは、甘えたような女の声。






「ゆっくん、今どこ?

あのね、今日ね、赤ちゃんが初めてお腹けったの!

あっ、今も!

ねぇねぇ、早く帰って来て、ゆっくんも触ってみてよ」






あたしは何も言わずに黙って聞いていた。




彼女は何も気づかず、






「それと、口紅ありがとね。


いつも、よく似合ってるってみんなに褒められるのよ」






と嬉しそうに笑った。





あたしはそのまま電話を切った。






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