色恋 〜Colorful Loves〜







毎日の仕事を終えると、車に飛び乗るようにしてスーパーに直行する。





中古で購入したクリーム色の軽自動車は、エンジンから変な音がするし、エアコンのききも悪いし、ブレーキを踏むたびに軋んだような叫び声を上げる。




でも、私にとって、なくてはならない唯一の交通手段だ。





いつものスーパーの駐車場に入り、出入り口付近に車を停めて、ケータイと財布とエコバッグをポケットに入れて車を出る。




入り口に拡大コピーして貼ってある今朝の朝刊のチラシを横目に見て、今晩のおかずはハンバーグにしよう、と思った。




牛豚の合い挽き肉と玉ねぎが特価だからだ。




おからを買ってカサ増しすれば、とりあえずお腹は膨れる。




それに、雄介も喜ぶ。




雄介は私の一人息子で、4才の男の子。





私はシングルマザーというやつだ。





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