色恋 〜Colorful Loves〜
近所の大学に通っている女子大生たちの姿が目に浮かぶ。




彼女たちは私と同年代だけど、ものすごく若くて元気で、そして可愛く見えた。




夕陽に溶けそうな柔らかい色に染めた長い髪をゆるく巻いて、


きれいにお化粧をして、


ひらひら風に踊るワンピースをまとって、



世界は自分のためにあるって信じているように、みんなで楽しそうにおしゃべりをしながら歩いている。




そんな姿を見るたびに、私は自分が情けなくて恥ずかしくなる。



根もとが10センチ以上プリンになった髪はだらだらと伸びて、潤いがなくなってぼさぼさに広がっている。



でも、仕事がない日は雄介と遊んであげたいから、美容院に行く暇がなくて、一年以上ほったらかしだ。



美容院代って馬鹿にならないし、なるべくお金は使いたくない。




ファストファッションのぺらぺらの服を着まわして、


朝はばたばたしていて時間がないから、メイクも日焼け止めとファンデーション、それにアイブロウだけ。




< 54 / 136 >

この作品をシェア

pagetop