色恋 〜Colorful Loves〜
そんな私は、長谷川くんからどう見えているんだろう。



きっと、スーパーにやってくるたくさんのおばちゃんの一人。




キャベツをカゴに入れながらぼんやりと思って、私ははっとした。




そんなことを考えるのはやめよう。




だって、私は母親なんだから。



雄介が生まれたときに、私は決めたんだ。



これからは、この子のために生きていこう、って。




こんな頼りない、ダメな私のところに生まれてきてくれた雄介のために、自分の全てを犠牲にしてでも、ちゃんと生きていこうって。





それが、17で妊娠して18で子どもを生んだ私の責任だ。





鏡の中の自分がどんなに疲れた顔をしていて、どんなにぼろぼろの肌をしていたって、



そんなことに気をとられている暇はないんだから。





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