色恋 〜Colorful Loves〜
キャベツと豚ロース、パン粉と卵、牛乳、オレンジジュースをカゴに入れて、


お米のコーナーに移動する。



重いから3kgとか5kgのものにしておきたいんだけど、やっぱり10kg入りの割安感に負けてしまう。




雄介は最近よく食べるし、うちは外食なんてほとんどしないし、昼もお弁当を作って持っていくから、お米は驚くほどのスピードでなくなっていくのだ。




カゴを持った手の反対の腕にお米の袋を抱えて、レジに向かった。





清算を終えてマイバッグに商品を詰めて、またお米を小脇に抱えて歩き出す。




そのとき、母親の買い物について来ているらしい幼稚園くらいの男の子が、客の間を駆け抜けてきて、私の腰のあたりにぶつかった。





「あっ」





気づいたときには遅くて、衝撃でマイバッグを落としてしまった。





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