色恋 〜Colorful Loves〜
「あの、片瀬さん」




「はい?」




「俺、今から休憩入るんで、少し、外でお話ししてもいいですか?」




「え………」





びっくりして動きが止まってしまった。




長谷川くんはにこっと笑って、私の手からバッグを奪い取るようにしてから、すたすたと歩き出す。





ついて行くと、私の車の前で長谷川くんは立ち止まった。




そして、俯いてもごもごと話し出す。





「あの、私事なんですけど………」




「あ、はい」




「俺、就職、決まったんです」





予想もしなかった言葉に、私は一瞬目を見開いて、それから





「そうなの? おめでとう!」





と拍手をした。






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