色恋 〜Colorful Loves〜
私はパニックに陥ったまま、「ちょっと待って」と長谷川くんの言葉を止めた。





「私に子どもがいるって知ってるのに、………つ、付き合ってくださいって、言ってくれたの………?」





「はい」




「な、なんで………?」




「え? だって………」





長谷川くんが爽やかに微笑んだ。





「関係ないじゃないですか。

子どもがいるとかいないとか、好きになるのに関係ないですよ」





また、なんでもないことみたいに。



私はぽかんと長谷川くんの顔を見つめた。





「というか、むしろ………。

俺は、片瀬さんとお子さんが一緒にいるところを見て、好きになったんです」





「え、え………?」





「だって、お子さんと話してるときの片瀬さん、すごく、本当に、優しい表情をしていて。

すてきな人だなぁって思って、気がついたら目で追ってたんです」






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