色恋 〜Colorful Loves〜
GREEN - クリームソーダ




《クリームソーダ》









仕事を終えて帰宅し、簡単な晩ご飯を作って食べ終え、お風呂に入って、夜の11時前。



1LDKのアパートの狭いリビングでソファに座ってテレビを見ていると、玄関のドアが開く音がした。




「ただいま」




と低く小さな声がして、みし、みし、と廊下が鳴る。




私は背を向けたまま、いちおう「おかえり」と囁いた。



声が小さすぎて、たぶん隆也には届かなかっただろう。




隆也は何も言わずにスーツのジャケットを脱ぎ、リビングの片隅に置いてあるパソコンデスクの椅子にばさりと置いた。




シワになるし、埃になるから、ちゃんとハンガーに掛けてクローゼットに戻して、って何度も言っているのに、全く直してくれない。




私はイライラしながら目を背けて、隆也を視界から外した。





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