オオカミくんと秘密のキス
春子に背中を叩かれ、多美子ちゃんと寧々にギュッと抱きつかれた。
みんな大好き!
本当にありがとう…
「尾神くんの誕生日は明日だっけ?」
「うん!夕方から家にお呼ばれしてるんだ」
「へえ~♪ん?ってことは家で2人でやるの??」
4人でだらだらと歩道を歩きながら、話題は明日の凌哉くんの誕生日の話になる。
「ううん。凌哉くんのお母さんと弟の隆也くんと…あと………あの例の幼馴染み…」
「は!?幼馴染みのあの女も!?あいつまだ尾神くんの家に居座ってるわけ!?」
「…うん」
実は今だに妃華ちゃんは凌哉くんの家にいるらしく、家に帰る気配はないらしい…
凌哉くんの話だと家のことはやってくれるし、隆也くんの面倒も見てくれるからなかなか無下にはできないとのこと。
ここ数日、凌哉くんは夜は柳田くんの家にわざわざ泊まっているみたい。毎日夜になると、凌哉くんから柳田くんとツーショットの写メが送られてくる…その度に私は申し訳なくなって、反省をしているのだ。
凌哉くんに、妃華ちゃんのことあんなふうに言って嫉妬しちゃったから気を使ってるんだよね…明日の誕生日のことも昨日の電話で何回も謝ってたし。
マジであんなこと言わなきゃよかったよ。本当にごめんなさい…
「その妃華ってやつ超邪魔だね?せっかく付き合って初めての誕生日なのに、あいつがいたらぶち壊しじゃん!」
春子がプンプンと怒って言った。多美子ちゃんと寧々ちゃんも「そーだそーだ!」と言って怒っている。
「だから明日は洋平も誘って、わいわい誕生日を祝おうと思ってるんだ…その方が盛り上がるし」
洋平がいればきっとなんとかなるよね。こういう時、弟があんなキャラで良かったと思うよ(笑)
「そうだね!2人きりじゃないのは残念だけど、まあ初めての誕生日だし楽しみなよ♪」
「うん、ありがとう!…でね!みんなにお願いなんだけど………明日凌哉くんちに行くまでの間一緒にいてくれない!?1人だとドキドキしちゃって気が気じゃないと思うからっ」
私は3人に手を合わせて「お願い!」と頼んだ。
「…しょうがないなぁ、別に暇だからいいけどぉ~」
「春子ちゃん…嫌そうな口調で言ってるけど、顔は嬉しそうだよ?」
「フフフ」
多美子ちゃんのそのツッコミに、私達は駅前の交差点で大声で笑った。
仲間がいるっていいな…
みんなで一つになれたような瞬間があるたびに、本当に嬉しくなるよ。
「じゃあ明日は、私が沙世ちゃんのメイクやってあげるよ!」
「え?」
得意げに言う多美子ちゃんに、私はキョトンとしてしまう。
「いいね!沙世をとことん着飾って更に可愛くしようよ♪」
「賛成ー!」
私以外の3人はかなり盛り上がっているが、私はまだピンと来ていない状態。
私どんなふうにされてしまうのだろうか…
翌日
「あれ?」
春子達との待ち合わせ時間に合わせて支度をし、家を出て駅に向かっている時…寧々ちゃんからLINEが来て自分のスマホを見ると充電が半分もない状態だと気づく。
昨日寝る前に充電したと思ったんだけど…接触が悪くて出来てなかったのかな?
ま、いっか。今日は多美子ちゃんちに行くから、後で充電器借りよう。
私は特に気にせずに寧々ちゃんにLINEを返して、少し歩くスピードを早めた。
「じゃ~~~ん!」
「す、すごい…」
多美子ちゃんの家にやって来た私達は、部屋に入るとテーブルに並べられているメイク道具の数に驚く。
「これ全部多美子ちゃんの?」
「ううん。お母さんとお姉ちゃんの借りたの…あとね…見てこれ♪」
床に置いていたショップ袋を開いて、中を見せてくれる多美子ちゃん。
「す、すっごぉ!」
袋の中を見てびっくり!そこには化粧品のサンプルがぎっしりと詰め込まれていた。
「いつももったいなくて使えなかったこのサンプル達を使うときが来たわ…」
多美子ちゃんの目はメラメラと燃えているように見える。
みんな大好き!
本当にありがとう…
「尾神くんの誕生日は明日だっけ?」
「うん!夕方から家にお呼ばれしてるんだ」
「へえ~♪ん?ってことは家で2人でやるの??」
4人でだらだらと歩道を歩きながら、話題は明日の凌哉くんの誕生日の話になる。
「ううん。凌哉くんのお母さんと弟の隆也くんと…あと………あの例の幼馴染み…」
「は!?幼馴染みのあの女も!?あいつまだ尾神くんの家に居座ってるわけ!?」
「…うん」
実は今だに妃華ちゃんは凌哉くんの家にいるらしく、家に帰る気配はないらしい…
凌哉くんの話だと家のことはやってくれるし、隆也くんの面倒も見てくれるからなかなか無下にはできないとのこと。
ここ数日、凌哉くんは夜は柳田くんの家にわざわざ泊まっているみたい。毎日夜になると、凌哉くんから柳田くんとツーショットの写メが送られてくる…その度に私は申し訳なくなって、反省をしているのだ。
凌哉くんに、妃華ちゃんのことあんなふうに言って嫉妬しちゃったから気を使ってるんだよね…明日の誕生日のことも昨日の電話で何回も謝ってたし。
マジであんなこと言わなきゃよかったよ。本当にごめんなさい…
「その妃華ってやつ超邪魔だね?せっかく付き合って初めての誕生日なのに、あいつがいたらぶち壊しじゃん!」
春子がプンプンと怒って言った。多美子ちゃんと寧々ちゃんも「そーだそーだ!」と言って怒っている。
「だから明日は洋平も誘って、わいわい誕生日を祝おうと思ってるんだ…その方が盛り上がるし」
洋平がいればきっとなんとかなるよね。こういう時、弟があんなキャラで良かったと思うよ(笑)
「そうだね!2人きりじゃないのは残念だけど、まあ初めての誕生日だし楽しみなよ♪」
「うん、ありがとう!…でね!みんなにお願いなんだけど………明日凌哉くんちに行くまでの間一緒にいてくれない!?1人だとドキドキしちゃって気が気じゃないと思うからっ」
私は3人に手を合わせて「お願い!」と頼んだ。
「…しょうがないなぁ、別に暇だからいいけどぉ~」
「春子ちゃん…嫌そうな口調で言ってるけど、顔は嬉しそうだよ?」
「フフフ」
多美子ちゃんのそのツッコミに、私達は駅前の交差点で大声で笑った。
仲間がいるっていいな…
みんなで一つになれたような瞬間があるたびに、本当に嬉しくなるよ。
「じゃあ明日は、私が沙世ちゃんのメイクやってあげるよ!」
「え?」
得意げに言う多美子ちゃんに、私はキョトンとしてしまう。
「いいね!沙世をとことん着飾って更に可愛くしようよ♪」
「賛成ー!」
私以外の3人はかなり盛り上がっているが、私はまだピンと来ていない状態。
私どんなふうにされてしまうのだろうか…
翌日
「あれ?」
春子達との待ち合わせ時間に合わせて支度をし、家を出て駅に向かっている時…寧々ちゃんからLINEが来て自分のスマホを見ると充電が半分もない状態だと気づく。
昨日寝る前に充電したと思ったんだけど…接触が悪くて出来てなかったのかな?
ま、いっか。今日は多美子ちゃんちに行くから、後で充電器借りよう。
私は特に気にせずに寧々ちゃんにLINEを返して、少し歩くスピードを早めた。
「じゃ~~~ん!」
「す、すごい…」
多美子ちゃんの家にやって来た私達は、部屋に入るとテーブルに並べられているメイク道具の数に驚く。
「これ全部多美子ちゃんの?」
「ううん。お母さんとお姉ちゃんの借りたの…あとね…見てこれ♪」
床に置いていたショップ袋を開いて、中を見せてくれる多美子ちゃん。
「す、すっごぉ!」
袋の中を見てびっくり!そこには化粧品のサンプルがぎっしりと詰め込まれていた。
「いつももったいなくて使えなかったこのサンプル達を使うときが来たわ…」
多美子ちゃんの目はメラメラと燃えているように見える。