オオカミくんと秘密のキス
私の髪って細いのかなぁ。
太くはないと思うけど…絡まったり枝毛になったり、冬は静電気とかあるし自分の髪質はあんまり好きではないけど…
「沙世の髪って好きだな…いつも抱きしめたりする時にさり気なく髪触ってるんだ…」
「そうなの?」
無意識で気づいてなかった…
「それにいつもいい匂いするし」
「…本当?」
洗面台の鏡越しに話す私と凌哉くん。ドライヤーをそばにある棚に置くと、凌哉くんは私を後ろから抱きしめた。
抱きしめられる私が鏡に映りすごく恥ずかしくなる…私は凌哉くんの腕にそっと手を触れて、そのまま下をうつむいた。
一時はどうなると思ったけど…
こうやって凌哉くんと会えて本当に良かった…
傘が壊れたから雨を直に打たれながら、風を真っ向に受けて前を進み…
時々木やお店に雨宿りしたりしたけど、雷が怖なる度に怖くて逃げ出したりしながら、やっと凌哉くんの家の近くまで来れて一安心していたら…
偶然に凌哉くんに会ったからびっくりしたよ。それと同時に…すっごく嬉しかったんだ…
本当は会ってすぐに「お誕生日おめでとう」って言いたかったけど…
私の軽はずみな行動でみんなに心配かけてそれどころじゃなくて、言いそびれちゃったな…
言うなら今だよね…
今は2人きりだし…
「沙世…」
「ぁ…」
口を開こうとすると、凌哉くんは私の名前を呼んで後ろからあごの辺りに手を添えるとくいっと横に向けた。
凌哉くんの顔が後ろから近づいてきて、唇が触れる寸前の距離に…
このままキスしちゃうのか…
「お誕生日おめでとう」って…また言いそびれちゃったよ…
「姉ちゃーん!」
「兄ちゃん??」
ビクッ
ガタッ
バタバタッッ…
すると突然弟達の声がして私と凌哉くんは瞬時に離れると、私達はバスルームのいろんな所にぶつかってしまい棚から物が落ちてくる。
「兄ちゃん達…何やってるの?」
バスルームを覗きこんで来る隆也くんが、床に落ちているタオルや替えのシャンプーを見て不思議そうな顔をする。
「な、何でもねえよ」
「アハハハ…」
しらを切ってとりあえず笑うしかない。
「隆也のおばちゃんが呼んでるぞー?もうご飯出来たってさ」
「着替えが済んだら来てって」
「う、うん!すぐ行くからっ」
弟達はそう言うと走ってそこから離れると、階段を降りていく音がした。
私と凌哉くんは「ふぅ」と息を吐いたあと、顔を見合わせて笑った。そして散らばった物を全て片付けると2人で1階に降りた。
リビングに行くとテーブルにはたくさんのご馳走が並べられていて、中央には私が持ってきた誕生日ケーキも…
「ケーキ崩れちゃったね…」
ホールケーキの装飾やクリームは倒れたりぐちゃぐちゃになってしまっていて、あんなにかわいいケーキが台無しになってしまっている。
「ごめんなさい…慎重に持ってきたつもりだったんだけど…」
気づかないうちに箱が揺れちゃったのかもな…誕生日といえばケーキが主役なのに、それがこんなになっちゃってショック…
私はテーブルの前でペコッと謝った。
「バカ。お前のせいじゃねえよ。俺があの時落としたせいだ」
「え…」
私の頭をコツンと叩く凌哉くんは、優しい顔をしてくれた。
太くはないと思うけど…絡まったり枝毛になったり、冬は静電気とかあるし自分の髪質はあんまり好きではないけど…
「沙世の髪って好きだな…いつも抱きしめたりする時にさり気なく髪触ってるんだ…」
「そうなの?」
無意識で気づいてなかった…
「それにいつもいい匂いするし」
「…本当?」
洗面台の鏡越しに話す私と凌哉くん。ドライヤーをそばにある棚に置くと、凌哉くんは私を後ろから抱きしめた。
抱きしめられる私が鏡に映りすごく恥ずかしくなる…私は凌哉くんの腕にそっと手を触れて、そのまま下をうつむいた。
一時はどうなると思ったけど…
こうやって凌哉くんと会えて本当に良かった…
傘が壊れたから雨を直に打たれながら、風を真っ向に受けて前を進み…
時々木やお店に雨宿りしたりしたけど、雷が怖なる度に怖くて逃げ出したりしながら、やっと凌哉くんの家の近くまで来れて一安心していたら…
偶然に凌哉くんに会ったからびっくりしたよ。それと同時に…すっごく嬉しかったんだ…
本当は会ってすぐに「お誕生日おめでとう」って言いたかったけど…
私の軽はずみな行動でみんなに心配かけてそれどころじゃなくて、言いそびれちゃったな…
言うなら今だよね…
今は2人きりだし…
「沙世…」
「ぁ…」
口を開こうとすると、凌哉くんは私の名前を呼んで後ろからあごの辺りに手を添えるとくいっと横に向けた。
凌哉くんの顔が後ろから近づいてきて、唇が触れる寸前の距離に…
このままキスしちゃうのか…
「お誕生日おめでとう」って…また言いそびれちゃったよ…
「姉ちゃーん!」
「兄ちゃん??」
ビクッ
ガタッ
バタバタッッ…
すると突然弟達の声がして私と凌哉くんは瞬時に離れると、私達はバスルームのいろんな所にぶつかってしまい棚から物が落ちてくる。
「兄ちゃん達…何やってるの?」
バスルームを覗きこんで来る隆也くんが、床に落ちているタオルや替えのシャンプーを見て不思議そうな顔をする。
「な、何でもねえよ」
「アハハハ…」
しらを切ってとりあえず笑うしかない。
「隆也のおばちゃんが呼んでるぞー?もうご飯出来たってさ」
「着替えが済んだら来てって」
「う、うん!すぐ行くからっ」
弟達はそう言うと走ってそこから離れると、階段を降りていく音がした。
私と凌哉くんは「ふぅ」と息を吐いたあと、顔を見合わせて笑った。そして散らばった物を全て片付けると2人で1階に降りた。
リビングに行くとテーブルにはたくさんのご馳走が並べられていて、中央には私が持ってきた誕生日ケーキも…
「ケーキ崩れちゃったね…」
ホールケーキの装飾やクリームは倒れたりぐちゃぐちゃになってしまっていて、あんなにかわいいケーキが台無しになってしまっている。
「ごめんなさい…慎重に持ってきたつもりだったんだけど…」
気づかないうちに箱が揺れちゃったのかもな…誕生日といえばケーキが主役なのに、それがこんなになっちゃってショック…
私はテーブルの前でペコッと謝った。
「バカ。お前のせいじゃねえよ。俺があの時落としたせいだ」
「え…」
私の頭をコツンと叩く凌哉くんは、優しい顔をしてくれた。