オオカミくんと秘密のキス
そうか…凌哉くんと偶然会った時に落としちゃったんだっけ…
だけどあれは凌哉くんのせいってわけでもないよ。
私のことを心配してくれてたなら、当然の行為だったと思うし…って!
ちょっと自惚れちゃった…!こんなこと自分で思うなんて恥ずかしい…
「ちゃんと髪乾かした?風邪ひいたら大変だからね」
キッチンから小皿を持って現れる響子さん見て、私は急に緊張が走った。
「あ、あのっ!私も手伝います!!」
私は風のように近づくと、響子さんはフフフと笑った。
「いいのよ~沙世ちゃんは座ってて」
「そんなわけには…」
「そお?じゃあそこのグラスを人数分並べてもらってもいい?」
「はい!」
キッチンに出してあった高そうなグラスを両手に2つずつ持ち、私はテーブルにきれいに並べた。
「ありがとう沙世ちゃん。お客様なのに手伝わせてしまってごめんなさいね」
「いいえ!私で良かったら何でも言いつけて下さい」
本当は最初から手伝いたかったくらいなのにな…彼氏のお母さんと料理作りとかすごく夢だもん…
今年はその役目を妃華ちゃんに取られちゃったけど、来年こそはお母さんの隣に私が立ちたいな…あれ?そういえば…
「妃華ちゃんは…?」
リビングのどこにも見当たらないけど…トイレかな?
「…「今日のパーティーはパスします」って言って…さっき部屋に閉じこもっちゃったのよ」
「え…」
そんな…ってことは一緒にパーティーやらないってこと?
「もしかしてさっきの事気にしてるんでしょうか…?自分のせいだって責任感じてるのかな」
「そうね…私も引き止めたんだけど、どうしてもって言って…」
「そうですか…」
私も半分悪いのに、なんか妃華ちゃんが全部悪くなっちゃってる気が…
「あいつはほっとけよ」
凌哉くんは冷たくそう言うと、テーブルの椅子に座ってグラスに飲み物のそそいだ。私と響子さんはそれ以上その話題には触れずに、弟達の後に自分達も席についた。
「凌くん17歳の誕生日おめでとう!」
それぞれ飲み物の入ったグラスを持つと響子さんがそう一言添えて「乾杯!」と言うと、私達は全員でグラスを近づけて鳴らす。
妃華ちゃんの事を気にしつつも、私はグラスに口をつけてジュースを飲んだ。
「たくさん食べてね♪今日は久しぶりに張り切って作ったんだから!」
響子さんはトングを片手に持ち、隆也くんと洋平に料理を取り分けていた。
「凌哉くんは何食べる?取ったあげようか?」
手元にあった小皿を取って、凌哉くんに話しかける私。
「じゃあ…サラダとチキン」
「わかった」
言われた通りに小皿にサラダとチキンを乗せて差し出すと、凌哉くんは料理よりも私をじーっと見てなにやらニヤニヤしている。
「な、なに?」
「いや…なんでもない」
「なにそれ」
意味深な笑みを浮かべながら、凌哉くんは私から小皿を受け取り料理を食べ始めた。
「はい!沙世ちゃんもたくさん食べてね」
「あ。ありがとうございます!」
響子さんが数種類の料理を乗せたプレートを私の目の前のテーブルに置いてくれて、ニコッと微笑んだ。
よく見てみると、響子さんのつけているエプロンはフリフリでとても可愛らしくてよく似合っている。
凌哉くんのお母さんは、思っていた以上に綺麗で可愛くて素敵な人…
「やっぱりここのケーキは美味しいわ~」
数時間後。食事を終えた私達は、例の崩れたケーキを食べていた。当たり前だが崩れていても味は変わらない為、前からあのケーキ屋さんが行きつけだという凌哉くん一家は納得しながらケーキを頬張る。
確かに美味しいなこのケーキ…♪
見た目だけじゃなくて味も本格的な味というか…手を抜いてない感じがする。
「妃華ちゃんの分も残しておかないとね…」
響子さんはワンカットしたケーキを皿に乗せると、キッチンのテーブルの上に置いた。
だけどあれは凌哉くんのせいってわけでもないよ。
私のことを心配してくれてたなら、当然の行為だったと思うし…って!
ちょっと自惚れちゃった…!こんなこと自分で思うなんて恥ずかしい…
「ちゃんと髪乾かした?風邪ひいたら大変だからね」
キッチンから小皿を持って現れる響子さん見て、私は急に緊張が走った。
「あ、あのっ!私も手伝います!!」
私は風のように近づくと、響子さんはフフフと笑った。
「いいのよ~沙世ちゃんは座ってて」
「そんなわけには…」
「そお?じゃあそこのグラスを人数分並べてもらってもいい?」
「はい!」
キッチンに出してあった高そうなグラスを両手に2つずつ持ち、私はテーブルにきれいに並べた。
「ありがとう沙世ちゃん。お客様なのに手伝わせてしまってごめんなさいね」
「いいえ!私で良かったら何でも言いつけて下さい」
本当は最初から手伝いたかったくらいなのにな…彼氏のお母さんと料理作りとかすごく夢だもん…
今年はその役目を妃華ちゃんに取られちゃったけど、来年こそはお母さんの隣に私が立ちたいな…あれ?そういえば…
「妃華ちゃんは…?」
リビングのどこにも見当たらないけど…トイレかな?
「…「今日のパーティーはパスします」って言って…さっき部屋に閉じこもっちゃったのよ」
「え…」
そんな…ってことは一緒にパーティーやらないってこと?
「もしかしてさっきの事気にしてるんでしょうか…?自分のせいだって責任感じてるのかな」
「そうね…私も引き止めたんだけど、どうしてもって言って…」
「そうですか…」
私も半分悪いのに、なんか妃華ちゃんが全部悪くなっちゃってる気が…
「あいつはほっとけよ」
凌哉くんは冷たくそう言うと、テーブルの椅子に座ってグラスに飲み物のそそいだ。私と響子さんはそれ以上その話題には触れずに、弟達の後に自分達も席についた。
「凌くん17歳の誕生日おめでとう!」
それぞれ飲み物の入ったグラスを持つと響子さんがそう一言添えて「乾杯!」と言うと、私達は全員でグラスを近づけて鳴らす。
妃華ちゃんの事を気にしつつも、私はグラスに口をつけてジュースを飲んだ。
「たくさん食べてね♪今日は久しぶりに張り切って作ったんだから!」
響子さんはトングを片手に持ち、隆也くんと洋平に料理を取り分けていた。
「凌哉くんは何食べる?取ったあげようか?」
手元にあった小皿を取って、凌哉くんに話しかける私。
「じゃあ…サラダとチキン」
「わかった」
言われた通りに小皿にサラダとチキンを乗せて差し出すと、凌哉くんは料理よりも私をじーっと見てなにやらニヤニヤしている。
「な、なに?」
「いや…なんでもない」
「なにそれ」
意味深な笑みを浮かべながら、凌哉くんは私から小皿を受け取り料理を食べ始めた。
「はい!沙世ちゃんもたくさん食べてね」
「あ。ありがとうございます!」
響子さんが数種類の料理を乗せたプレートを私の目の前のテーブルに置いてくれて、ニコッと微笑んだ。
よく見てみると、響子さんのつけているエプロンはフリフリでとても可愛らしくてよく似合っている。
凌哉くんのお母さんは、思っていた以上に綺麗で可愛くて素敵な人…
「やっぱりここのケーキは美味しいわ~」
数時間後。食事を終えた私達は、例の崩れたケーキを食べていた。当たり前だが崩れていても味は変わらない為、前からあのケーキ屋さんが行きつけだという凌哉くん一家は納得しながらケーキを頬張る。
確かに美味しいなこのケーキ…♪
見た目だけじゃなくて味も本格的な味というか…手を抜いてない感じがする。
「妃華ちゃんの分も残しておかないとね…」
響子さんはワンカットしたケーキを皿に乗せると、キッチンのテーブルの上に置いた。