オオカミくんと秘密のキス
「凌哉くんいらっしゃい♪」
「ねえね!隆也は?」
凌哉くんの服を引っ張る洋平。
「家にいるよ」
「マジか?隆也んちに行ってもいいだろー?」
ねえねえ~と凌哉くんにねだる洋平に、お母さんが「コラコラ」と注意する。
「今から俺んち来るか?ちょうど沙世も用があることだし一緒についてくれば?」
洋平の頭をガシガシと撫でる凌哉くん。
そっか…
今から妃華ちゃんに私を会わせてくれるんだね。
「じゃあ早速行こうか」
「うん!」
私はすぐに支度をして、3人で家を出て凌哉くんの家に向かった。
「洋平!」
凌哉くんの家に着いて玄関を開けると、すぐに隆也くんが嬉しそうに飛んでくる。
「よ!来たぜ!」
「ゲームやろう!」
弟達が2階へ駆け上がって行くと、リビングから妃華ちゃんが気まずそうな顔をしてこっちに近づいて来る。
私と凌哉くんは靴を脱ぐと、妃華ちゃんに近づいた。
「妃華ちょっといいか?」
凌哉くんが話しかけると、妃華ちゃんは手に持っていたサングラスをかける。
「ごめーん。今から帰るから時間ないのぉ」
「え…」
妃華ちゃんは凌哉くんをスルーして玄関でサンダルを履き始めた。玄関には大きなキャリーバッグが置いてある。
あれは妃華ちゃんのだよね?
これから帰るって…どういうこと?私に謝りたいって言ってたんじゃないの?
「お前言ってること意味わかんねえぞ。沙世に会わせろって言ってたじゃねーか…ちゃんと謝りたいんだろ?」
凌哉くんの言葉に、妃華ちゃんは一瞬サンダルを履く手を止める。
「…時間がないって言っただけで…謝らないなんて言ってないでしょ」
サンダルを履き終えた妃華ちゃんは、しゃがんでいた腰を上げ私達と向かい合うと、真剣な顔をして私を真っ直ぐ見つめサングラスを外した。そして…
「ごめんなさいっ」
私に深く頭を下げて、結構なボリュームの声で謝ってきた。その迫力に少し腰が引ける。
「私…超ダサいことした。本当にキモイと思う…マジで……ごめんなさい」
妃華ちゃん流の謝罪は彼女らしくて、不思議と気持ちが伝わって来る。
「うん。もういいよ…気にしないで」
私がそう答えると妃華ちゃんは顔を上げて微笑むと、すぐに顔つきを変えてサングラスをつけ腕を組んだ。
「あんた…凌哉の事振ったりしたらただじゃおかないからね!」
いつもの妃華ちゃんに戻って“妃華節”が聞けた…もう大丈夫だね。
「わかってるよ。振ったりなんか絶対しないから」
「誓いなさいよね!あとこれ…」
ペラ…
肩にかけているカバンの中から、何やら封筒のようなものを出して私達に投げつける妃華ちゃん。
床に落ちたその封筒を凌哉くんが拾うと、妃華ちゃんはめんどくさそうに口を開く。
「それ…私から凌哉への誕生日プレゼント。本当は2人で行こうと思ってたんだけど、あんた達に譲ってあげる」
封筒の中を開けると何枚か紙が出てきて、凌哉くんはそれを開いた。
「…ペンション?」
「そ、軽井沢のね。うちの別荘の近くに新しいペンションが出来て、来月の中旬に予約取れたからあんた達の友達誘って言ってくれば?それか2人きりってのもいいけどね…」
「ねえね!隆也は?」
凌哉くんの服を引っ張る洋平。
「家にいるよ」
「マジか?隆也んちに行ってもいいだろー?」
ねえねえ~と凌哉くんにねだる洋平に、お母さんが「コラコラ」と注意する。
「今から俺んち来るか?ちょうど沙世も用があることだし一緒についてくれば?」
洋平の頭をガシガシと撫でる凌哉くん。
そっか…
今から妃華ちゃんに私を会わせてくれるんだね。
「じゃあ早速行こうか」
「うん!」
私はすぐに支度をして、3人で家を出て凌哉くんの家に向かった。
「洋平!」
凌哉くんの家に着いて玄関を開けると、すぐに隆也くんが嬉しそうに飛んでくる。
「よ!来たぜ!」
「ゲームやろう!」
弟達が2階へ駆け上がって行くと、リビングから妃華ちゃんが気まずそうな顔をしてこっちに近づいて来る。
私と凌哉くんは靴を脱ぐと、妃華ちゃんに近づいた。
「妃華ちょっといいか?」
凌哉くんが話しかけると、妃華ちゃんは手に持っていたサングラスをかける。
「ごめーん。今から帰るから時間ないのぉ」
「え…」
妃華ちゃんは凌哉くんをスルーして玄関でサンダルを履き始めた。玄関には大きなキャリーバッグが置いてある。
あれは妃華ちゃんのだよね?
これから帰るって…どういうこと?私に謝りたいって言ってたんじゃないの?
「お前言ってること意味わかんねえぞ。沙世に会わせろって言ってたじゃねーか…ちゃんと謝りたいんだろ?」
凌哉くんの言葉に、妃華ちゃんは一瞬サンダルを履く手を止める。
「…時間がないって言っただけで…謝らないなんて言ってないでしょ」
サンダルを履き終えた妃華ちゃんは、しゃがんでいた腰を上げ私達と向かい合うと、真剣な顔をして私を真っ直ぐ見つめサングラスを外した。そして…
「ごめんなさいっ」
私に深く頭を下げて、結構なボリュームの声で謝ってきた。その迫力に少し腰が引ける。
「私…超ダサいことした。本当にキモイと思う…マジで……ごめんなさい」
妃華ちゃん流の謝罪は彼女らしくて、不思議と気持ちが伝わって来る。
「うん。もういいよ…気にしないで」
私がそう答えると妃華ちゃんは顔を上げて微笑むと、すぐに顔つきを変えてサングラスをつけ腕を組んだ。
「あんた…凌哉の事振ったりしたらただじゃおかないからね!」
いつもの妃華ちゃんに戻って“妃華節”が聞けた…もう大丈夫だね。
「わかってるよ。振ったりなんか絶対しないから」
「誓いなさいよね!あとこれ…」
ペラ…
肩にかけているカバンの中から、何やら封筒のようなものを出して私達に投げつける妃華ちゃん。
床に落ちたその封筒を凌哉くんが拾うと、妃華ちゃんはめんどくさそうに口を開く。
「それ…私から凌哉への誕生日プレゼント。本当は2人で行こうと思ってたんだけど、あんた達に譲ってあげる」
封筒の中を開けると何枚か紙が出てきて、凌哉くんはそれを開いた。
「…ペンション?」
「そ、軽井沢のね。うちの別荘の近くに新しいペンションが出来て、来月の中旬に予約取れたからあんた達の友達誘って言ってくれば?それか2人きりってのもいいけどね…」