オオカミくんと秘密のキス
「明日はきっともっと混むだろうな」
「そうだね…」
凌哉くんと店内を見渡して、来ているお客さんを眺めながら話す私達。
明日は一般開放だからもっと人も集まるだろうし…
だから材料も明日は今日の倍は用意するらしいし、座席を増やす予定だと聞いている。
「大変だけど楽しいね!自分が作ったものを「美味しい」って言われると嬉しいな」
好きな人に「美味しい」って言われるくらい嬉しいよ。
疲れなんて本当に吹っ飛んじゃう。
「なに可愛いこと言ってんの?ここでキスするぞ」
「ええ!」
とっさに口を隠すと、凌哉くんは意地悪そうな顔をしてクスクスと笑った…
「沙世も頑張ってる事だし…俺もあと少し頑張るか」
体を伸ばす凌哉くんは「ごちそうさま」と言って、私から離れて受付がある廊下に戻っていった…
今の凌哉くんの行動で、ちょっとだけヤキモチ妬いてしまったのがなかったことになってる。
私もあと少し頑張らなくちゃ…
「ドリンクオーダー入ったよ~」
「あ、はい!」
またドリンク注文の波が押し寄せて来て、すぐに春子もこっち戻りまた慌ただしくなった。
それから私は無心で必死に動き、午前中の係の仕事を全うした…
「お疲れさま~」
正午前。文化祭の前半が終わり私達午前の係の人は、午後の人達に仕事を託し自由時間となった。
「疲れた~」
春子は肩をコキコキと鳴らすと、すぐにメイクを直し始める。
これから柳田くんと校内回るから気合い入ってるんだな~
私も汗とかかいちゃったし、メイクとか直しておこう!
ブーブー……
すると春子のスマホが震え、メイク道具を片手に電話に出る春子。
「もしもし?」
少し話をした後、春子はすぐに電話を切った。
「圭吾から電話で、今尾神くんとA組にいるから来てってさ」
「A組?」
確か出し物はオカルトカフェじゃなかったっけ?
そこにいるって…なんか嫌な予感がする……
不安を抱きつつも、支度を終えた私と春子は待ち合わせであるA組に向かった。
ガラ…
A組の教室のドアを開けると中は真っ暗で、薄暗いランプが所々についているだけ。
「ぃらっしゃぃませ…」
「きゃ!」
突然後ろから、全身黒ずくめの布を被り顔に骸骨の面をした男子生徒が私達に話しかけてきた。
驚いて思わず叫んでしまった私と春子は抱き合ってビクビクしながら、その骸骨男子を目の前にして震える。
「何名様ですか…?」
「え、えっと…待ち合わせで……」
骸骨の面をしてる時点でめちゃめちゃ怖いんだから、声まで怖い感じにしなくていいっつーの!
私と春子は逃げるようにその場から立ち去り、薄暗い中で凌哉くん達を探した…
教室の中はテーブル席が何個か設置されていて、お客さんはそこで飲み物や軽食を食べていた。
テーブル席とは別に周りには色々なコーナーがあり、心霊現象やらUFOやらという看板が出ている…
オカルトカフェという名前の通り、部屋を薄気味悪い装飾にしてるのか…
接客係の女子生徒達はメイド服姿で、顔や体から血を流しているメイクをしたりしてオカルトの雰囲気を出していた。
「あ、いたいた!」
春子が指差した先には、凌哉くんと柳田くんの姿が…!
2人は「心霊写真」のコーナーにいて、何やら真剣な顔をしている。
私達が2人に近づくと先に気づいたのは凌哉くんで、私の顔を見るなりニコッと笑う。
「沙世。これ見てみろ」
「え?」
凌哉くんにつられて自分も笑っていると、私に一枚の写真を見せてきた。
薄暗い中でよく目を凝らしてその写真を見てみると…
「そうだね…」
凌哉くんと店内を見渡して、来ているお客さんを眺めながら話す私達。
明日は一般開放だからもっと人も集まるだろうし…
だから材料も明日は今日の倍は用意するらしいし、座席を増やす予定だと聞いている。
「大変だけど楽しいね!自分が作ったものを「美味しい」って言われると嬉しいな」
好きな人に「美味しい」って言われるくらい嬉しいよ。
疲れなんて本当に吹っ飛んじゃう。
「なに可愛いこと言ってんの?ここでキスするぞ」
「ええ!」
とっさに口を隠すと、凌哉くんは意地悪そうな顔をしてクスクスと笑った…
「沙世も頑張ってる事だし…俺もあと少し頑張るか」
体を伸ばす凌哉くんは「ごちそうさま」と言って、私から離れて受付がある廊下に戻っていった…
今の凌哉くんの行動で、ちょっとだけヤキモチ妬いてしまったのがなかったことになってる。
私もあと少し頑張らなくちゃ…
「ドリンクオーダー入ったよ~」
「あ、はい!」
またドリンク注文の波が押し寄せて来て、すぐに春子もこっち戻りまた慌ただしくなった。
それから私は無心で必死に動き、午前中の係の仕事を全うした…
「お疲れさま~」
正午前。文化祭の前半が終わり私達午前の係の人は、午後の人達に仕事を託し自由時間となった。
「疲れた~」
春子は肩をコキコキと鳴らすと、すぐにメイクを直し始める。
これから柳田くんと校内回るから気合い入ってるんだな~
私も汗とかかいちゃったし、メイクとか直しておこう!
ブーブー……
すると春子のスマホが震え、メイク道具を片手に電話に出る春子。
「もしもし?」
少し話をした後、春子はすぐに電話を切った。
「圭吾から電話で、今尾神くんとA組にいるから来てってさ」
「A組?」
確か出し物はオカルトカフェじゃなかったっけ?
そこにいるって…なんか嫌な予感がする……
不安を抱きつつも、支度を終えた私と春子は待ち合わせであるA組に向かった。
ガラ…
A組の教室のドアを開けると中は真っ暗で、薄暗いランプが所々についているだけ。
「ぃらっしゃぃませ…」
「きゃ!」
突然後ろから、全身黒ずくめの布を被り顔に骸骨の面をした男子生徒が私達に話しかけてきた。
驚いて思わず叫んでしまった私と春子は抱き合ってビクビクしながら、その骸骨男子を目の前にして震える。
「何名様ですか…?」
「え、えっと…待ち合わせで……」
骸骨の面をしてる時点でめちゃめちゃ怖いんだから、声まで怖い感じにしなくていいっつーの!
私と春子は逃げるようにその場から立ち去り、薄暗い中で凌哉くん達を探した…
教室の中はテーブル席が何個か設置されていて、お客さんはそこで飲み物や軽食を食べていた。
テーブル席とは別に周りには色々なコーナーがあり、心霊現象やらUFOやらという看板が出ている…
オカルトカフェという名前の通り、部屋を薄気味悪い装飾にしてるのか…
接客係の女子生徒達はメイド服姿で、顔や体から血を流しているメイクをしたりしてオカルトの雰囲気を出していた。
「あ、いたいた!」
春子が指差した先には、凌哉くんと柳田くんの姿が…!
2人は「心霊写真」のコーナーにいて、何やら真剣な顔をしている。
私達が2人に近づくと先に気づいたのは凌哉くんで、私の顔を見るなりニコッと笑う。
「沙世。これ見てみろ」
「え?」
凌哉くんにつられて自分も笑っていると、私に一枚の写真を見せてきた。
薄暗い中でよく目を凝らしてその写真を見てみると…