オオカミくんと秘密のキス
「きゃ!」
「なにこれー」
写真を見せられた私と春子は思わず叫び、2人で抱き合って目を伏せる。
凌哉くんが見せてきたのは数人の制服を着た学生が映っている写真で、その中の1人の首がないという…いわゆる心霊写真だった。
「やめてよ!」
そういうの苦手なんだから!
「そうなの?初めて知った」
ケラケラと笑う凌哉くんにムッとしながら、私は近くに座って飲み物を飲んでいるお客さんをチラッと見た。
薄暗くてちょっと不気味だけど、カフェのメニューはかわいいものが多いなぁ…
イメージ的にハロウィンぽくて、カラフルだったり遊び心があるというか。
「沙世」
「え?」
後ろから凌哉くんに話しかけられると、さりげない感じで私の肩を抱いてくる。
いつの間にか春子は柳田くんと一緒にいて、タロット占いコーナーでイチャイチャしていた。
「もう写真はいいの…?」
もしかして…また怖い写真を見せようとしてるんじゃないでしょうね?
凌哉くんから少し離れて手元を確認すると、何か手に持っている様子はなく私を通り過ぎて教室から出て行く。
「あ、待って」
私はすぐに追いかけて廊下に出ると、凌哉くんは他のクラスの男友達に文化祭のパンフレットをもらっていた。
薄暗い中から急に明るい場所へ出ると目がチカチカして、私は瞬きを繰り返しながら凌哉くんに近づく。
「春子達置いてきていいの…?」
「うん…一応圭吾には声かけて来たし…タロット占いなんて興味ないしな。俺と沙世の相性なんてもうわかりきってることだし」
それはいい事なのかな?
まあ、とりあえず占いには興味ないってことね…私はちょっとやってみたいけど「行きたい」って言ったら嫌な顔されることはわかってるから言わないけどさ。
「とりあえずなんか食おうぜ。腹減ったし喉も乾いたし」
「そうだね」
2人でパンフレットを眺めながら、どこに行くか迷っていると…
ブー…ブーー…
持っていた手さげバックに入れていたスマホが震えて、私は手探りでスマホを探してバックから出した。
スマホの画面には「樹里」と表示されていて、一瞬テンションが上がる。
「ごめん、ちょっと電話してくるね!」
「ああ」
嘘!
樹里から電話だし!!
電話をかけてきたのは、中学の時に仲の良かったあの樹里からだった。
凌哉くんから少し離れた場所に移動した私は、明るい声でその電話に出た。
「もしもし~?」
「あ、もしもし沙世!?久しぶり!」
スマホから聞こえてくる樹里の声は昔と全然変わっていなくて、一気に中学の頃の私達に戻った気がした。
「久しぶりだね!元気!?こうやって話すの本当に久しぶりだよねっ」
LINEでやり取りするだけで、声を聞くのは高校に入ってから初めてかもしれない。
「そうだね~沙世全然変わってなくて安心したよ」
「樹里も変わってないね♪たまには遊ぼうよ~春子も誘って3人で!」
「…う、ん。そうだね」
急に樹里の声が変わった気がしたけれど、私は会話を続けた。
「…ところでどうかしたの?」
「なにこれー」
写真を見せられた私と春子は思わず叫び、2人で抱き合って目を伏せる。
凌哉くんが見せてきたのは数人の制服を着た学生が映っている写真で、その中の1人の首がないという…いわゆる心霊写真だった。
「やめてよ!」
そういうの苦手なんだから!
「そうなの?初めて知った」
ケラケラと笑う凌哉くんにムッとしながら、私は近くに座って飲み物を飲んでいるお客さんをチラッと見た。
薄暗くてちょっと不気味だけど、カフェのメニューはかわいいものが多いなぁ…
イメージ的にハロウィンぽくて、カラフルだったり遊び心があるというか。
「沙世」
「え?」
後ろから凌哉くんに話しかけられると、さりげない感じで私の肩を抱いてくる。
いつの間にか春子は柳田くんと一緒にいて、タロット占いコーナーでイチャイチャしていた。
「もう写真はいいの…?」
もしかして…また怖い写真を見せようとしてるんじゃないでしょうね?
凌哉くんから少し離れて手元を確認すると、何か手に持っている様子はなく私を通り過ぎて教室から出て行く。
「あ、待って」
私はすぐに追いかけて廊下に出ると、凌哉くんは他のクラスの男友達に文化祭のパンフレットをもらっていた。
薄暗い中から急に明るい場所へ出ると目がチカチカして、私は瞬きを繰り返しながら凌哉くんに近づく。
「春子達置いてきていいの…?」
「うん…一応圭吾には声かけて来たし…タロット占いなんて興味ないしな。俺と沙世の相性なんてもうわかりきってることだし」
それはいい事なのかな?
まあ、とりあえず占いには興味ないってことね…私はちょっとやってみたいけど「行きたい」って言ったら嫌な顔されることはわかってるから言わないけどさ。
「とりあえずなんか食おうぜ。腹減ったし喉も乾いたし」
「そうだね」
2人でパンフレットを眺めながら、どこに行くか迷っていると…
ブー…ブーー…
持っていた手さげバックに入れていたスマホが震えて、私は手探りでスマホを探してバックから出した。
スマホの画面には「樹里」と表示されていて、一瞬テンションが上がる。
「ごめん、ちょっと電話してくるね!」
「ああ」
嘘!
樹里から電話だし!!
電話をかけてきたのは、中学の時に仲の良かったあの樹里からだった。
凌哉くんから少し離れた場所に移動した私は、明るい声でその電話に出た。
「もしもし~?」
「あ、もしもし沙世!?久しぶり!」
スマホから聞こえてくる樹里の声は昔と全然変わっていなくて、一気に中学の頃の私達に戻った気がした。
「久しぶりだね!元気!?こうやって話すの本当に久しぶりだよねっ」
LINEでやり取りするだけで、声を聞くのは高校に入ってから初めてかもしれない。
「そうだね~沙世全然変わってなくて安心したよ」
「樹里も変わってないね♪たまには遊ぼうよ~春子も誘って3人で!」
「…う、ん。そうだね」
急に樹里の声が変わった気がしたけれど、私は会話を続けた。
「…ところでどうかしたの?」