オオカミくんと秘密のキス
「失格!?なんでよっ」
「意味わかんないんだけど!」
2人に詰め寄られて、生徒はビクビクしながら声を震わせて答えた。
「お…お2人は蹴り合ったりしてお互いを邪魔していたので……そういうのは禁止だとスタート前に説明したはずですけど」
その生徒は私達よりも先輩なのに、2人の迫力に思わず敬語になっている。
確かにそんな説明してたよな…
スタートを前にしてドキドキしてたし、友達を仲直りさせることで頭がいっぱいだったから忘れてたよ。
それを聞いた2人は納得したように頷いたあと、またすぐにその生徒に詰め寄る。
「私達は失格としてもなんで彩世もなのよ!」
「彩世は私達に何にもしてないけど?」
そういうえばそうだよなぁ…
私は2人を止めはしてたけど…蹴落とそうとはしてない。
「そっちの子は足つぼの時に彼氏に抱えられていたので、失格になります。ルールは2人でゴールしなきゃいけないので…」
「…」
それを言われた私達3人は…もう何も言えなくなってしまった…
確かに…
私は凌哉くんに抱えられてゴールしました…
あの時は嬉しくて浮かれまくってたけど、まさか失格なんて…
「…ということで……優勝はこのカップルでーす!おめでとうございます!!!」
プールサイドに立つカップルは…デレデレしながらインタビューを受けていた。
結局…優勝したのは私達より少し遅くゴールした、三年生のカップルだった。
せっかく3人仲良くゴールできたのに優勝を逃した私達はひどく落ち込んだあと、しばらくしてからみんなで大笑いした。
凌哉くん達のところへ戻ると、それぞれの彼氏は私達を褒めてくれてなんだか少し泣きそうなった。
「この文化祭のこと…私達が大人になったらかなりの笑い話になるよね」
「伝説の文化祭だよ」
クスクスと笑う春子と樹里を見て、心からホッとした。
「春子。俺からももう一回謝らせてくれ。本当にごめんな」
キャッキャとはしゃぐ2人に近づく絢人は、春子に深く頭を下げて謝った。
「いいよ。つーか…もうどーでもいい。あんたなんかよりも、今はもっといい男と付き合ってるんだから!」
春子はそう言うと、近くにいた柳田くんの腕にぎゅっとしがみついた。
「ちょっと~人の彼氏のことけなさないでくれない?」
「だって本当のことだしぃ~」
「はぁ?」
また春子と樹里の口喧嘩が始まると、みんなは呆れたように笑った。
私達の笑い声が響いている中で、カップルイベントは幕を閉じた…
「はぁ…やっと2人きりになれたな」
オレンジ色に照らされた夕日を眺めながら、私と凌哉くんは屋上に2人きり。
フェンスにもたれかかりながら、少しひんやりとする風にうたれてゆったりとした次回が流れていた…
「圭吾達は?」
隣にいる凌哉くんが私の頭に寄りかかり、ボソッと言った。
「みんなで文化祭の開会式に出席するって~」
「マジかよ。真面目だな」
私達はサボりだもんね…
ま、いいか。
「イベント楽しかったな」
思い出したように言う凌哉くんに、私はすぐに笑顔になる。
「うん!参加して良かったよ…優勝は出来なかったけどね」
「沙世からのちゅー逃したな……優勝したあのカップル…今頃全校生徒の前で公開ちゅーしてんのかな。うわ、見たくね~」
「オエ」と言って嫌な顔をする凌哉くんを、私は真っ直ぐ見つめた。
「…一回だけだよ?」
「え?」
ぐいっ
私はそう言って凌哉くんの着ているジャージの胸元の辺りを掴むと、ぐいっと自分の方に引っ張ってそのまま唇にキスをした。
「…」
「…」
「意味わかんないんだけど!」
2人に詰め寄られて、生徒はビクビクしながら声を震わせて答えた。
「お…お2人は蹴り合ったりしてお互いを邪魔していたので……そういうのは禁止だとスタート前に説明したはずですけど」
その生徒は私達よりも先輩なのに、2人の迫力に思わず敬語になっている。
確かにそんな説明してたよな…
スタートを前にしてドキドキしてたし、友達を仲直りさせることで頭がいっぱいだったから忘れてたよ。
それを聞いた2人は納得したように頷いたあと、またすぐにその生徒に詰め寄る。
「私達は失格としてもなんで彩世もなのよ!」
「彩世は私達に何にもしてないけど?」
そういうえばそうだよなぁ…
私は2人を止めはしてたけど…蹴落とそうとはしてない。
「そっちの子は足つぼの時に彼氏に抱えられていたので、失格になります。ルールは2人でゴールしなきゃいけないので…」
「…」
それを言われた私達3人は…もう何も言えなくなってしまった…
確かに…
私は凌哉くんに抱えられてゴールしました…
あの時は嬉しくて浮かれまくってたけど、まさか失格なんて…
「…ということで……優勝はこのカップルでーす!おめでとうございます!!!」
プールサイドに立つカップルは…デレデレしながらインタビューを受けていた。
結局…優勝したのは私達より少し遅くゴールした、三年生のカップルだった。
せっかく3人仲良くゴールできたのに優勝を逃した私達はひどく落ち込んだあと、しばらくしてからみんなで大笑いした。
凌哉くん達のところへ戻ると、それぞれの彼氏は私達を褒めてくれてなんだか少し泣きそうなった。
「この文化祭のこと…私達が大人になったらかなりの笑い話になるよね」
「伝説の文化祭だよ」
クスクスと笑う春子と樹里を見て、心からホッとした。
「春子。俺からももう一回謝らせてくれ。本当にごめんな」
キャッキャとはしゃぐ2人に近づく絢人は、春子に深く頭を下げて謝った。
「いいよ。つーか…もうどーでもいい。あんたなんかよりも、今はもっといい男と付き合ってるんだから!」
春子はそう言うと、近くにいた柳田くんの腕にぎゅっとしがみついた。
「ちょっと~人の彼氏のことけなさないでくれない?」
「だって本当のことだしぃ~」
「はぁ?」
また春子と樹里の口喧嘩が始まると、みんなは呆れたように笑った。
私達の笑い声が響いている中で、カップルイベントは幕を閉じた…
「はぁ…やっと2人きりになれたな」
オレンジ色に照らされた夕日を眺めながら、私と凌哉くんは屋上に2人きり。
フェンスにもたれかかりながら、少しひんやりとする風にうたれてゆったりとした次回が流れていた…
「圭吾達は?」
隣にいる凌哉くんが私の頭に寄りかかり、ボソッと言った。
「みんなで文化祭の開会式に出席するって~」
「マジかよ。真面目だな」
私達はサボりだもんね…
ま、いいか。
「イベント楽しかったな」
思い出したように言う凌哉くんに、私はすぐに笑顔になる。
「うん!参加して良かったよ…優勝は出来なかったけどね」
「沙世からのちゅー逃したな……優勝したあのカップル…今頃全校生徒の前で公開ちゅーしてんのかな。うわ、見たくね~」
「オエ」と言って嫌な顔をする凌哉くんを、私は真っ直ぐ見つめた。
「…一回だけだよ?」
「え?」
ぐいっ
私はそう言って凌哉くんの着ているジャージの胸元の辺りを掴むと、ぐいっと自分の方に引っ張ってそのまま唇にキスをした。
「…」
「…」