オオカミくんと秘密のキス
『頑張るから』って言ってくれた。だから私も早く尾神くんに答えてあげたいから、真剣に考えなくちゃいけない…
「ってゆうかもう付き合っちゃえば?沙世だって尾神くんがちょっと好きなんだし、とりあえず彼カノになっちゃいなよ♪」
軽いノリで言う春子は、手でピースサインをつくって私に見せる。
「…うーん…そうかもしれないけどね…ま、あとはタイミングってことで。今すぐっていうよりも自然にそうなれたらなっていうのが理想かな」
まだ尾神くんと知り合ったばかりだし…もっとお互いのこと知ってからでもいい気がする。
あ、でもキスとかはしてるから矛盾してるよね。確実に順番が逆だよ。
「そっかぁ…なんかいいなー♪沙世ってばいつの間にかいい人見つけちゃってさ。しかもあんなイケメンでモテる人と!羨ましいなぁ」
「春子はクラスの男子とかで気になる人とかいないの?」
そういえば、高校に入学してから春子とそういう話してなかったよね…
「そうだなぁ…今のところいないかな?みんな軽そうな男子ばっかりだから眼中にないよ。頭悪そうな奴嫌いなんだよね」
「そ、そう…」
その中に柳田くんは入ってるのかな!?とっても聞きたいけど、ここで柳田くんの名前出したら不自然だよね。
ヘタなことして、柳田くんの春子に対する気持ちがバレたら大変だし…
「今日は学校終わったら尾神くの家に行ったりしないの?風邪で休みなんでしょ?」
当然のようないい方をする春子は、風でなびいた髪を手で直す。
「…どうしようかな…彼女でもないのに行ったりして迷惑じゃないかな?」
柳田くんには行って欲しいって言われたけど、まだ正直迷ってるよ。
「またそんなこと言ってる~…沙世は尾神くんにとって特別なんだから行っていいに決まってるでしょ!」
「と、特別!?私が!!?」
「当たり前じゃん。それに今日ランチ一緒に食べる約束してたんでしょ?なら風邪引いて来れなくなった尾神くんは沙世のこと絶対気にしてるはずだよ…来てくれたら安心すると思うよ?」
「そうかなぁ…」
私だって行ってあげたいと思ってるけど…図々しいことして向こうがどう思うのかわかんないんだよね。やっぱりまだ私は尾神くんの性格を知らなすぎる…
「行ってフォローしてあげなよ。沙世は真面目だから深く考え過ぎなの!『お見舞い来たよーん、具合どう?』みたいはノリで行けばいいの」
「そのノリは私には無理です…」
「できるって!ほら言ってみ?練習練習っ」
キャッキャと笑う私と春子の声が屋上に響きわたる。
春子に尾神くんのことを話したことで、心が少し軽くなっている事に気がついた。春子にバレた形だったけれどちゃんと話せて良かったと思う。
「ただいまー」
そして放課後。私は学校帰りにスーパーで夕飯の買い物をして家に帰宅。一応尾神くんのお見舞いとして、ヨーグルトやゼリーにフルーツといった食べやすそうなものも購入。
「おっかえり~」
「…こんにちは」
家に入ると、リビングのテーブルで洋平と隆也くんがカードゲームを広げて遊んでいた。
「隆也くん来てたんだ!いらっしゃい♪」
「おじゃましてます…」
ペコッと頭を下げる隆也くんは、なんだか恥ずかしそうな顔をする。私は買い物袋を床に置き買ってきた食材を冷蔵庫にしまう。
「2人ともおやつ食べたの?何か作ってあげようか?」
「うん!俺ホットケーキ♪隆也も食うだろ??」
「う、うん」
「いいよ。すぐ作るから待っててね」
冷蔵庫を閉め、コンロの下の棚からフライパンを出すと洋平はわけのわからない歌を歌い始めて、それを聞いた隆也くんが笑っている。
私はホットケーキの材料をボールに混ぜ、何度か様子をうかがったあと隆也くんに話しかけた。
「隆也くんさぁ…今日お兄ちゃん風邪引いて学校休んだでしょ?」
「え、あ…うん。朝起きたら具合が悪くなって熱測ったら38.7あった…」
38.7!?高熱だな…
「さんじゅうはちどななって何度!?それって高いのかよ???」
「洋平はいいの。これ混ぜといてね」
私はホットケーキの生地の入ったボールと泡立て器を洋平に持たせた。
「熱があるのに学校行くって言って一回制服に着替えたんだけど、やっぱりダウンしちゃって『今日は学校休む』って…『お前は心配しないで学校行け』って言われた」
「そう…」
もしかして…今日のお昼は、私と一緒に食べる約束してたから無理にいこうとしてくれてたのかな。
「お母さんはいつも何時くらいに帰って来るの?」
「いつも仕事の時間がバラバラだし、泊まり込みが多いから会えない時がほとんどだよ」
「そっか…」
尾神くんのお母さんドクターだもんね。毎日手術に追われて忙しいって言ってたもんな…
「それに、今日はお母さん泊まり込みの日だから帰って来れないんだ。立て続けに手術があるんだって…」
「そう…」
「ってゆうかもう付き合っちゃえば?沙世だって尾神くんがちょっと好きなんだし、とりあえず彼カノになっちゃいなよ♪」
軽いノリで言う春子は、手でピースサインをつくって私に見せる。
「…うーん…そうかもしれないけどね…ま、あとはタイミングってことで。今すぐっていうよりも自然にそうなれたらなっていうのが理想かな」
まだ尾神くんと知り合ったばかりだし…もっとお互いのこと知ってからでもいい気がする。
あ、でもキスとかはしてるから矛盾してるよね。確実に順番が逆だよ。
「そっかぁ…なんかいいなー♪沙世ってばいつの間にかいい人見つけちゃってさ。しかもあんなイケメンでモテる人と!羨ましいなぁ」
「春子はクラスの男子とかで気になる人とかいないの?」
そういえば、高校に入学してから春子とそういう話してなかったよね…
「そうだなぁ…今のところいないかな?みんな軽そうな男子ばっかりだから眼中にないよ。頭悪そうな奴嫌いなんだよね」
「そ、そう…」
その中に柳田くんは入ってるのかな!?とっても聞きたいけど、ここで柳田くんの名前出したら不自然だよね。
ヘタなことして、柳田くんの春子に対する気持ちがバレたら大変だし…
「今日は学校終わったら尾神くの家に行ったりしないの?風邪で休みなんでしょ?」
当然のようないい方をする春子は、風でなびいた髪を手で直す。
「…どうしようかな…彼女でもないのに行ったりして迷惑じゃないかな?」
柳田くんには行って欲しいって言われたけど、まだ正直迷ってるよ。
「またそんなこと言ってる~…沙世は尾神くんにとって特別なんだから行っていいに決まってるでしょ!」
「と、特別!?私が!!?」
「当たり前じゃん。それに今日ランチ一緒に食べる約束してたんでしょ?なら風邪引いて来れなくなった尾神くんは沙世のこと絶対気にしてるはずだよ…来てくれたら安心すると思うよ?」
「そうかなぁ…」
私だって行ってあげたいと思ってるけど…図々しいことして向こうがどう思うのかわかんないんだよね。やっぱりまだ私は尾神くんの性格を知らなすぎる…
「行ってフォローしてあげなよ。沙世は真面目だから深く考え過ぎなの!『お見舞い来たよーん、具合どう?』みたいはノリで行けばいいの」
「そのノリは私には無理です…」
「できるって!ほら言ってみ?練習練習っ」
キャッキャと笑う私と春子の声が屋上に響きわたる。
春子に尾神くんのことを話したことで、心が少し軽くなっている事に気がついた。春子にバレた形だったけれどちゃんと話せて良かったと思う。
「ただいまー」
そして放課後。私は学校帰りにスーパーで夕飯の買い物をして家に帰宅。一応尾神くんのお見舞いとして、ヨーグルトやゼリーにフルーツといった食べやすそうなものも購入。
「おっかえり~」
「…こんにちは」
家に入ると、リビングのテーブルで洋平と隆也くんがカードゲームを広げて遊んでいた。
「隆也くん来てたんだ!いらっしゃい♪」
「おじゃましてます…」
ペコッと頭を下げる隆也くんは、なんだか恥ずかしそうな顔をする。私は買い物袋を床に置き買ってきた食材を冷蔵庫にしまう。
「2人ともおやつ食べたの?何か作ってあげようか?」
「うん!俺ホットケーキ♪隆也も食うだろ??」
「う、うん」
「いいよ。すぐ作るから待っててね」
冷蔵庫を閉め、コンロの下の棚からフライパンを出すと洋平はわけのわからない歌を歌い始めて、それを聞いた隆也くんが笑っている。
私はホットケーキの材料をボールに混ぜ、何度か様子をうかがったあと隆也くんに話しかけた。
「隆也くんさぁ…今日お兄ちゃん風邪引いて学校休んだでしょ?」
「え、あ…うん。朝起きたら具合が悪くなって熱測ったら38.7あった…」
38.7!?高熱だな…
「さんじゅうはちどななって何度!?それって高いのかよ???」
「洋平はいいの。これ混ぜといてね」
私はホットケーキの生地の入ったボールと泡立て器を洋平に持たせた。
「熱があるのに学校行くって言って一回制服に着替えたんだけど、やっぱりダウンしちゃって『今日は学校休む』って…『お前は心配しないで学校行け』って言われた」
「そう…」
もしかして…今日のお昼は、私と一緒に食べる約束してたから無理にいこうとしてくれてたのかな。
「お母さんはいつも何時くらいに帰って来るの?」
「いつも仕事の時間がバラバラだし、泊まり込みが多いから会えない時がほとんどだよ」
「そっか…」
尾神くんのお母さんドクターだもんね。毎日手術に追われて忙しいって言ってたもんな…
「それに、今日はお母さん泊まり込みの日だから帰って来れないんだ。立て続けに手術があるんだって…」
「そう…」