オオカミくんと秘密のキス
その時後ろから髪の毛を軽く引っ張られ、振り返ると凌哉くんが私の後髪を掴んでいた。
「りょ、凌哉くん…」
話しかけてくれた…もしかしてテレパシー!?
嬉しい気持ちと若干の恥ずかしさが混じり、私はややうつむきながら後ろを向いた。
話しかけてくれた…
怒ってなかったんだ……
「用事あるって言ってたけど、一緒に帰るのも無理なの?」
「……」
私にぐっと顔を近づけて言う凌哉くんの質問に、私は戸惑っていた。
どうしよう…
一緒に帰って本当の事言って謝ろうかな…
床の方に向けていた目線を上げて凌哉くんと向き合おうとした時、凌哉くんの後ろの席の女子が私をガンつけて睨んでいた。
その女子はさっきのあの2人の一人で、その後ろにはもう一人の女子もいる…
うそ…あの2人凌哉くんの後ろの席だったの!?
全然知らなかった…
「ご、ごめんなさい…ちょっと今日は本当に急いでて」
「…そっか」
とっさにそう言うと私は前を向いた。
また逃げてしまった…もう嫌だ…
HRが終わり私はささっと荷物をまとめて、すぐに春子に声をかけた。
「ちょっと急いでるから今日は先に帰るね」
「え?用事?って…沙世?」
ごめん春子。
今日は一人でいたい…
凌哉くんにも挨拶しないで帰るなんて久しぶり。最近は放課後になると、春子と凌哉くんと柳田くんと少し話してから帰ったり、そのまま4人で帰るなんてこともあった。
最低…最低だ私…
こんな性格だったかな。女子から悪口言われる事なんて初めてじゃないんだし慣れてるはずなのに…
元々女子から好かれるタイプじゃないから、そんなへっちゃらのはずなのにな…凌哉くんが絡むとどうしてこうなっちゃうの?
その日の帰り道はすごく嫌な気持ちが体中をかけ巡っていて、私は凌哉くんの事を考えながら何度も胸を痛めていた。
「ただいま」
家に帰宅して洗面所で手洗いを済ませると、私はすぐに自分の部屋へ行き制服のままベットに倒れ込んだ。
「はぁ…」
今日はモヤモヤした1日だったな…
多恵子ちゃんと寧々ちゃんと仲良くなれたことは良かったけど…その他は最悪。
凌哉くんの事を好きだってちゃんと自覚したけど…
本当はすごく嬉しいことなのに、こんなに心が沈むのは今まで凌哉くんの気持ちに少しでも気づいていながら、ずっとなあなあにしてた自分に腹が立っているのかな。
最初から凌哉くんの気持ちを受け止めていれば、あの凌哉くんのファンだという女子2人からあんなこと言われることもなかっただろうし…
凌哉くんのファンなら私に腹が立って当然か。ファンの立場からすれば、彼女でもやい私が凌哉くんの周りをウロウロしていればムカつくよね…
それにしても…マヌケだなぁ。
後悔先に立たずっていうけど本当だね。さっさと凌哉くんが好きだって認めれば良かった…
明日学校行くの憂鬱だな…
うつぶせの体制で枕を抱えて考え事をしていると、段々睡魔が襲ってきて私はそのままウトウトと眠りについた。
ガチャ…
カタ…
ん…?
物音がした気がして目を開けると、部屋の中は真っ暗だった。寝ぼけながらブレザーのポケットに手を入れてスマホを出して時間を見ると、時刻は夜の7時半だった。
「りょ、凌哉くん…」
話しかけてくれた…もしかしてテレパシー!?
嬉しい気持ちと若干の恥ずかしさが混じり、私はややうつむきながら後ろを向いた。
話しかけてくれた…
怒ってなかったんだ……
「用事あるって言ってたけど、一緒に帰るのも無理なの?」
「……」
私にぐっと顔を近づけて言う凌哉くんの質問に、私は戸惑っていた。
どうしよう…
一緒に帰って本当の事言って謝ろうかな…
床の方に向けていた目線を上げて凌哉くんと向き合おうとした時、凌哉くんの後ろの席の女子が私をガンつけて睨んでいた。
その女子はさっきのあの2人の一人で、その後ろにはもう一人の女子もいる…
うそ…あの2人凌哉くんの後ろの席だったの!?
全然知らなかった…
「ご、ごめんなさい…ちょっと今日は本当に急いでて」
「…そっか」
とっさにそう言うと私は前を向いた。
また逃げてしまった…もう嫌だ…
HRが終わり私はささっと荷物をまとめて、すぐに春子に声をかけた。
「ちょっと急いでるから今日は先に帰るね」
「え?用事?って…沙世?」
ごめん春子。
今日は一人でいたい…
凌哉くんにも挨拶しないで帰るなんて久しぶり。最近は放課後になると、春子と凌哉くんと柳田くんと少し話してから帰ったり、そのまま4人で帰るなんてこともあった。
最低…最低だ私…
こんな性格だったかな。女子から悪口言われる事なんて初めてじゃないんだし慣れてるはずなのに…
元々女子から好かれるタイプじゃないから、そんなへっちゃらのはずなのにな…凌哉くんが絡むとどうしてこうなっちゃうの?
その日の帰り道はすごく嫌な気持ちが体中をかけ巡っていて、私は凌哉くんの事を考えながら何度も胸を痛めていた。
「ただいま」
家に帰宅して洗面所で手洗いを済ませると、私はすぐに自分の部屋へ行き制服のままベットに倒れ込んだ。
「はぁ…」
今日はモヤモヤした1日だったな…
多恵子ちゃんと寧々ちゃんと仲良くなれたことは良かったけど…その他は最悪。
凌哉くんの事を好きだってちゃんと自覚したけど…
本当はすごく嬉しいことなのに、こんなに心が沈むのは今まで凌哉くんの気持ちに少しでも気づいていながら、ずっとなあなあにしてた自分に腹が立っているのかな。
最初から凌哉くんの気持ちを受け止めていれば、あの凌哉くんのファンだという女子2人からあんなこと言われることもなかっただろうし…
凌哉くんのファンなら私に腹が立って当然か。ファンの立場からすれば、彼女でもやい私が凌哉くんの周りをウロウロしていればムカつくよね…
それにしても…マヌケだなぁ。
後悔先に立たずっていうけど本当だね。さっさと凌哉くんが好きだって認めれば良かった…
明日学校行くの憂鬱だな…
うつぶせの体制で枕を抱えて考え事をしていると、段々睡魔が襲ってきて私はそのままウトウトと眠りについた。
ガチャ…
カタ…
ん…?
物音がした気がして目を開けると、部屋の中は真っ暗だった。寝ぼけながらブレザーのポケットに手を入れてスマホを出して時間を見ると、時刻は夜の7時半だった。