オオカミくんと秘密のキス
結局一言も口聞かなかったな…前は凌哉くんからたくさん話しかけてくれたから、毎日楽しかった。好きな人と話せないだけで、こんなに辛いんだ…
「沙ー世っ!一緒に帰ろ」
「あ、うん!帰ろ」
帰る支度をしていると、カバンを肩にかけた春子が私の所へやって来る。私は返事をして急いでカバンに荷物をつめると、カバンを持って立ち上がる。
すると、多美子ちゃんと寧々ちゃんも私達のそばにやって来た。
「ねえねえ♪良かったら今日みんなでテスト勉強しない?」
多美子ちゃんがウキウキしたように提案すてきた。
みんなで勉強かぁ…
ちゃんと勉強するかは置いておいて、今日は1人でいるよりはいいかもしれないなぁ…
「賛成!」
「私も賛成~」
私と春子はほぼ同時に声を出す。
「ではうちに来てください!お昼ごはんごちそうしますよ」
「えーいいの?」
寧々ちゃんの言葉を聞いて、私達3人はやったーと喜ぶ。
「うちは学校から近いのでそんなにかかりませんし、早速行きましょうか」
「行こいこ~」
4人でキャッキャとはしゃぎながら教室を出て、ぺちゃくちゃと話をしながら下駄箱に向かう。
みんなはあえて尾神くんのことは話題には出さないでいてくれているようで、今の私にはすごく有難かった。
不思議…心のどこかでは凌哉くんのことで落ち込んでいるはずなのに、みんなと話してる時は一瞬だけでも嫌なことを忘れる瞬間がある。
その一瞬一瞬だけでも心が軽くなる。みんなは私にとって、どれだけ心の支えになってくれてるかってことだよね…
ガチャ
「どうぞ~上がってください」
「お邪魔しまーす」
寧々ちゃんの家は学校から数十分くらいのマンションで、とても綺麗なエントランスを通りエレベーターを上がり私達は家にお邪魔した。
「広ーい!いいなーマンション!うちは一軒家だけど、もう結構古いし」
「うちもうちも」
春子と多美子ちゃんが、部屋の中を見渡して言った。
本当に羨ましい~
うちなんてアパートだから、一軒家もマンションもどっちも憧れるな。
「今お昼の準備するので、テレビでも観ててください」
寧々ちゃんはキッチンからひょこっと顔を出して、かわいい花柄のエプロンを付けていた。
「あ、私も手伝うよ!」
春子と多美子ちゃんは「はーい!」と返事をしてテレビの電源をつけていた。私はリビングの部屋の隅にカバンを置き、小走りでキッチンへ行った。
「沙世ちゃんもお客様なんだし座っててください」
「手伝わせて!私お料理好きだし、全然気にしないでね」
「…そうですか?ではお言葉に甘えて」
私は腕に付けていたゴムで髪をしばり、流しで手を洗った。
「カルボナーラとスープを作ろうと思うのですが、沙世ちゃんはベーコンを切ってもらってもいいですか?」
「わかった!包丁とまな板借りるね」
「はい!私はパスタをゆでますね」
棚からそこの深い鍋を出す寧々ちゃんは、鍋に水を入れてコンロに置いて火をかけた。私は冷蔵庫から厚切りのベーコンを出して、包丁で食べやすい大きさに切る。
「寧々ちゃんは普段から料理やるの?」
「いえ…最近やり始めたんですけど、思っていたよりも楽しくてハマっちゃいました」
「そうなの?」
引き出しからパスタを出す寧々ちゃんは、少し照れながら言った。
「元々はあまり興味はなかったのですが、前の遠足の時に沙世ちゃんを見て羨ましいと思ってから始めました」
「え…」
「沙ー世っ!一緒に帰ろ」
「あ、うん!帰ろ」
帰る支度をしていると、カバンを肩にかけた春子が私の所へやって来る。私は返事をして急いでカバンに荷物をつめると、カバンを持って立ち上がる。
すると、多美子ちゃんと寧々ちゃんも私達のそばにやって来た。
「ねえねえ♪良かったら今日みんなでテスト勉強しない?」
多美子ちゃんがウキウキしたように提案すてきた。
みんなで勉強かぁ…
ちゃんと勉強するかは置いておいて、今日は1人でいるよりはいいかもしれないなぁ…
「賛成!」
「私も賛成~」
私と春子はほぼ同時に声を出す。
「ではうちに来てください!お昼ごはんごちそうしますよ」
「えーいいの?」
寧々ちゃんの言葉を聞いて、私達3人はやったーと喜ぶ。
「うちは学校から近いのでそんなにかかりませんし、早速行きましょうか」
「行こいこ~」
4人でキャッキャとはしゃぎながら教室を出て、ぺちゃくちゃと話をしながら下駄箱に向かう。
みんなはあえて尾神くんのことは話題には出さないでいてくれているようで、今の私にはすごく有難かった。
不思議…心のどこかでは凌哉くんのことで落ち込んでいるはずなのに、みんなと話してる時は一瞬だけでも嫌なことを忘れる瞬間がある。
その一瞬一瞬だけでも心が軽くなる。みんなは私にとって、どれだけ心の支えになってくれてるかってことだよね…
ガチャ
「どうぞ~上がってください」
「お邪魔しまーす」
寧々ちゃんの家は学校から数十分くらいのマンションで、とても綺麗なエントランスを通りエレベーターを上がり私達は家にお邪魔した。
「広ーい!いいなーマンション!うちは一軒家だけど、もう結構古いし」
「うちもうちも」
春子と多美子ちゃんが、部屋の中を見渡して言った。
本当に羨ましい~
うちなんてアパートだから、一軒家もマンションもどっちも憧れるな。
「今お昼の準備するので、テレビでも観ててください」
寧々ちゃんはキッチンからひょこっと顔を出して、かわいい花柄のエプロンを付けていた。
「あ、私も手伝うよ!」
春子と多美子ちゃんは「はーい!」と返事をしてテレビの電源をつけていた。私はリビングの部屋の隅にカバンを置き、小走りでキッチンへ行った。
「沙世ちゃんもお客様なんだし座っててください」
「手伝わせて!私お料理好きだし、全然気にしないでね」
「…そうですか?ではお言葉に甘えて」
私は腕に付けていたゴムで髪をしばり、流しで手を洗った。
「カルボナーラとスープを作ろうと思うのですが、沙世ちゃんはベーコンを切ってもらってもいいですか?」
「わかった!包丁とまな板借りるね」
「はい!私はパスタをゆでますね」
棚からそこの深い鍋を出す寧々ちゃんは、鍋に水を入れてコンロに置いて火をかけた。私は冷蔵庫から厚切りのベーコンを出して、包丁で食べやすい大きさに切る。
「寧々ちゃんは普段から料理やるの?」
「いえ…最近やり始めたんですけど、思っていたよりも楽しくてハマっちゃいました」
「そうなの?」
引き出しからパスタを出す寧々ちゃんは、少し照れながら言った。
「元々はあまり興味はなかったのですが、前の遠足の時に沙世ちゃんを見て羨ましいと思ってから始めました」
「え…」