オオカミくんと秘密のキス
「まあね~俺ちょっとシスコンなのかな(笑)」
「フフ、変なことじゃないですよ。むしろ素敵です!」
恥ずかしそうに頭をかく政宗さんに、私はフォローするように言った。
「彼女にもよく「シスコン野郎」とか言われるんだよね…ハハハ」
「寧々ちゃんが羨ましいです」
私達の笑い声が住宅街に響く中、段々とうちのアパートが見えてきて、ふとアパートの下の方に目を向けた。
え。
ズズ…
「ん?沙世ちゃん…どうかした?」
急に立ち止まる私を見て、足を止めた政宗さんは振り返って私を不思議そうに見ている。
アパートの下をふと見た時、花壇に座っている凌哉くんがいたのがハッキリと見えた。
見間違い…かな…
もう一度、恐る恐るアパート下に一瞬目をやると…
ひっ…!!!
やっぱり凌哉くんが花壇に座っている。黒っぽいジャージを着て足を開いて座っていて、しかもこっちに見てたような……?
おまけに睨んでいる感じもした…
もしかして…怒ってるのかな?
「あ、あの!政宗さんっっ」
ぎこちない口調と表情で政宗さんに話しかけ、とりあえず凌哉くんにはまだ気づいてないフリをする私。内心は心臓バクバクで、若干ドキドキも混じっている心境だ。
凌哉くんがなんでうちの前にいるのかも、まだわからないから怖い…
だけど…ちょっと嬉しい自分もいる…
うちに来てくれたってことは、やっぱり私に会いに来たってことだよね…?
「どうかした?」
「えっ…」
やばい。凌哉くんのことでいっぱいいっぱいで政宗さんの存在忘れてたよ…
「あのぉ…もうこの辺で大丈夫です!うちもうそこなので…」
「あ、そうなの?」
振り返って、私の家をキョロキョロと探す政宗さんを私は無理矢理こっちを向かせた。
「ほ、本当にもう大丈夫です!!!送ってくださってありがとうございました!」
政宗さんの腕を引っ張り、来た道に戻すように背中を押した。
「そう?わかったよ。じゃ俺は行くよ~またうちにも遊びに来てね」
「はい!あ、寧々ちゃんによろしく伝えてください」
「おう!じゃあね」
「さようなら」
政宗さんに笑顔で手を振り見えなくなったところで、私は恐る恐る後ろを振り返えると、花壇に座っていた凌哉くんは腰をあげジャージのポケットに手を入れてこっちを見ている。
凌哉くんの表情は無表情だったが、どこか怖いオーラが漂っている。
私は目線を下にずらしながら凌哉くんにゆっくりと近づき、少し離れた場所で立ち止まると下をうつむいた。
自分から話しかけるのが怖い…
多分怒ってると思うし、余計にそう思う。近寄るのもかなりの勇気がいるよ…
「ああゆう奴がタイプなの?」
え…
最初に口を開いたのは凌哉くんの方。思いがけない言葉に、私は思わずうつむいていた顔をあげ凌哉くんを見つめた。
「フフ、変なことじゃないですよ。むしろ素敵です!」
恥ずかしそうに頭をかく政宗さんに、私はフォローするように言った。
「彼女にもよく「シスコン野郎」とか言われるんだよね…ハハハ」
「寧々ちゃんが羨ましいです」
私達の笑い声が住宅街に響く中、段々とうちのアパートが見えてきて、ふとアパートの下の方に目を向けた。
え。
ズズ…
「ん?沙世ちゃん…どうかした?」
急に立ち止まる私を見て、足を止めた政宗さんは振り返って私を不思議そうに見ている。
アパートの下をふと見た時、花壇に座っている凌哉くんがいたのがハッキリと見えた。
見間違い…かな…
もう一度、恐る恐るアパート下に一瞬目をやると…
ひっ…!!!
やっぱり凌哉くんが花壇に座っている。黒っぽいジャージを着て足を開いて座っていて、しかもこっちに見てたような……?
おまけに睨んでいる感じもした…
もしかして…怒ってるのかな?
「あ、あの!政宗さんっっ」
ぎこちない口調と表情で政宗さんに話しかけ、とりあえず凌哉くんにはまだ気づいてないフリをする私。内心は心臓バクバクで、若干ドキドキも混じっている心境だ。
凌哉くんがなんでうちの前にいるのかも、まだわからないから怖い…
だけど…ちょっと嬉しい自分もいる…
うちに来てくれたってことは、やっぱり私に会いに来たってことだよね…?
「どうかした?」
「えっ…」
やばい。凌哉くんのことでいっぱいいっぱいで政宗さんの存在忘れてたよ…
「あのぉ…もうこの辺で大丈夫です!うちもうそこなので…」
「あ、そうなの?」
振り返って、私の家をキョロキョロと探す政宗さんを私は無理矢理こっちを向かせた。
「ほ、本当にもう大丈夫です!!!送ってくださってありがとうございました!」
政宗さんの腕を引っ張り、来た道に戻すように背中を押した。
「そう?わかったよ。じゃ俺は行くよ~またうちにも遊びに来てね」
「はい!あ、寧々ちゃんによろしく伝えてください」
「おう!じゃあね」
「さようなら」
政宗さんに笑顔で手を振り見えなくなったところで、私は恐る恐る後ろを振り返えると、花壇に座っていた凌哉くんは腰をあげジャージのポケットに手を入れてこっちを見ている。
凌哉くんの表情は無表情だったが、どこか怖いオーラが漂っている。
私は目線を下にずらしながら凌哉くんにゆっくりと近づき、少し離れた場所で立ち止まると下をうつむいた。
自分から話しかけるのが怖い…
多分怒ってると思うし、余計にそう思う。近寄るのもかなりの勇気がいるよ…
「ああゆう奴がタイプなの?」
え…
最初に口を開いたのは凌哉くんの方。思いがけない言葉に、私は思わずうつむいていた顔をあげ凌哉くんを見つめた。