オオカミくんと秘密のキス
私を抱きしめる凌哉くんの手が、私の頭を優しく撫でる。
「うん…それは、なんとなくわかってたんだど…」
「そういう問題じゃないか。ベタベタする行為が嫌だってことだろ?」
「…う、ん」
なんか…本当に申し訳なくなってきた。なんでこんなちっぽけな事を、私はずっと気にしてたんだろうとすら思えてくる…
「本当にもういいのっ。妃華ちゃんは幼馴染みで昔からの付き合いなんだし…私なんかが口出してわがまま言える立場じゃないし」
顔を上げで凌哉くんに顔を向けた私。
政宗さんが言っていたように、好きなら相手のことも受け止めないとね…
「…いや、もう妃華とのままごとは卒業しなきゃいけない。これからはお前がいるんだし」
「凌哉くん…」
お前がいるんだし…って、今の言い方すごく嬉しい………っ。
思わず顔が赤くなってしまう。
「それに…今となればお前の気持ちはすごくわかる…」
「え?」
凌哉くんは私からそっと手を離してそっぽを向くと、ポリポリと頭をかいた。
「さっきお前が前川の兄貴と一緒にいるところを見た時、気がおかしくなるくらい嫉妬した…」
「…本当?」
「ああ。だからお前の気持ちは痛い程わかる…俺、お前のこと好きだとか言っておいて最低なことしてたよな」
ため息をつく凌哉くんは、自分を責めているようにも見えた。
「そんなことないよ。私だって悪いの…私がこんなヤキモチやきじゃなければ、妃華ちゃんのことなんて気にならなかったのに…」
そもそもの原因をつくったのは私。一方的に凌哉くんから離れたりしないで、ちゃんと話し合うべきだったんだ…
「…謝り合っててもしょうがないな。お互いに反省して、もうこういうことはないようにしようぜ。俺はお前を不安にさせるような行動には気をつけるよ」
「うん。私もこれからは、凌哉くんにちゃんと自分の気持ちを話すね」
お互いに向かい合って見つめ、ニコッと笑う私達はなんだかとてもいい雰囲気に…
心から…あなたが好きです。
大好き。
「沙世」
「ん?」
「あのさ…」
♪♪♪♪♪♪…
何か言いかけた凌哉くんのスマホが鳴り、私達の会話が一旦止まる。
「ごめん…」
「ううん」
ポケットからスマホを出した凌哉くんは、画面を確認すると一瞬顔をしかめた。
その表情を不思議に思っていると、凌哉くんは私に自分のスマホの画面を見せてくる。
「あ…」
スマホの画面には「妃華」の名前が。電話をかけてきたのは、妃華ちゃんのようだ…
このタイミングで電話をかけてくるなんて…鼻が利くというかなんというか…
さすが凌哉くんの幼馴染みであり、想いを寄せているということも関係あるのかな…
凌哉くんが妃華ちゃんのことを幼馴染み以上には見ていないことはわかってるし、私のことを想ってくれているのも伝わっているから、もう気にならないといえばそうなのだけれど…
やっぱりいざ目の当たりにすると、面白くはないのが事実。私って本当に面倒くさい性格かも…
「ごめん。ちょっと電話に出てもいい?」
「うん…それは、なんとなくわかってたんだど…」
「そういう問題じゃないか。ベタベタする行為が嫌だってことだろ?」
「…う、ん」
なんか…本当に申し訳なくなってきた。なんでこんなちっぽけな事を、私はずっと気にしてたんだろうとすら思えてくる…
「本当にもういいのっ。妃華ちゃんは幼馴染みで昔からの付き合いなんだし…私なんかが口出してわがまま言える立場じゃないし」
顔を上げで凌哉くんに顔を向けた私。
政宗さんが言っていたように、好きなら相手のことも受け止めないとね…
「…いや、もう妃華とのままごとは卒業しなきゃいけない。これからはお前がいるんだし」
「凌哉くん…」
お前がいるんだし…って、今の言い方すごく嬉しい………っ。
思わず顔が赤くなってしまう。
「それに…今となればお前の気持ちはすごくわかる…」
「え?」
凌哉くんは私からそっと手を離してそっぽを向くと、ポリポリと頭をかいた。
「さっきお前が前川の兄貴と一緒にいるところを見た時、気がおかしくなるくらい嫉妬した…」
「…本当?」
「ああ。だからお前の気持ちは痛い程わかる…俺、お前のこと好きだとか言っておいて最低なことしてたよな」
ため息をつく凌哉くんは、自分を責めているようにも見えた。
「そんなことないよ。私だって悪いの…私がこんなヤキモチやきじゃなければ、妃華ちゃんのことなんて気にならなかったのに…」
そもそもの原因をつくったのは私。一方的に凌哉くんから離れたりしないで、ちゃんと話し合うべきだったんだ…
「…謝り合っててもしょうがないな。お互いに反省して、もうこういうことはないようにしようぜ。俺はお前を不安にさせるような行動には気をつけるよ」
「うん。私もこれからは、凌哉くんにちゃんと自分の気持ちを話すね」
お互いに向かい合って見つめ、ニコッと笑う私達はなんだかとてもいい雰囲気に…
心から…あなたが好きです。
大好き。
「沙世」
「ん?」
「あのさ…」
♪♪♪♪♪♪…
何か言いかけた凌哉くんのスマホが鳴り、私達の会話が一旦止まる。
「ごめん…」
「ううん」
ポケットからスマホを出した凌哉くんは、画面を確認すると一瞬顔をしかめた。
その表情を不思議に思っていると、凌哉くんは私に自分のスマホの画面を見せてくる。
「あ…」
スマホの画面には「妃華」の名前が。電話をかけてきたのは、妃華ちゃんのようだ…
このタイミングで電話をかけてくるなんて…鼻が利くというかなんというか…
さすが凌哉くんの幼馴染みであり、想いを寄せているということも関係あるのかな…
凌哉くんが妃華ちゃんのことを幼馴染み以上には見ていないことはわかってるし、私のことを想ってくれているのも伝わっているから、もう気にならないといえばそうなのだけれど…
やっぱりいざ目の当たりにすると、面白くはないのが事実。私って本当に面倒くさい性格かも…
「ごめん。ちょっと電話に出てもいい?」