君色のフレーム
君色のフレーム
今日はえらく冷えるなと、
灰色のマフラーを手繰り寄せて、気を紛らわそうとした、その時。
外気をなぞるように、白がふわり。
「……あ、」
ーー雪だ。
はつゆき。
ゆっくり、ゆっくり、
時を数えるように、僕の黒いコートにおちては消えてゆく。
そこにあったことさえ、
幻かと、思えてしまうほど
儚く。
…君は今も、
両手でフレームをつくって、
君色の世界を、切り取っているのだろうか。
こんな日は思い出す。
いや、片時だって忘れたことがなかった。
ただ1人の、女の子のことをー…
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