君色のフレーム
「…未練がましいな、僕も」
自分から仕向けるようなことをしておいて。
フッと、自嘲的な笑みをこぼして、
辿り着いた目的地に目を細める。
人伝てで聴いた、ユキが通っているはずの大学。
管理がゆるく、自由に行き来できるのをいいことに、
そんな偶然あるはずない。
言い聞かせながら、
何度足を運んだだろう?
…僕のわがままだってことは、充分わかってる。
更にユキを傷つけることになるかもしれないし、
…もしかしたら、
今度こそ、本当に、
壊れてしまうかもしれない。
だけど、
ーー 会いたい。
もう一度会って、
ちゃんとユキに伝えたい。
自分のことしか見えない、ちっぽけな男でごめん。と。
ユキに愛されて、しあわせだったと。
確かにキミを、
愛おしく想っていた。と。
…例えユキにとって、
それが、終わったことだったとしても。