それはまるで魔法のようで
体育館に行くと、泰千目当てと思われる女子がたくさんいて黄色い声を発していた。
泰千は……あ、いた。
制服のワイシャツの袖を半分くらいまで捲って、ボタンは2つも外し、ネクタイはほどいている。
しかもベルト緩くしてるから腰パン状態だし。
……チャラすぎでしょ!!
どのくらいの時間やっていたのか分かんないけど額には汗が滲み、顔も赤らんでいる。
周りの女子を見てみると、もう、いかにも目がハートになっていた。
…まあ、確かにカッコ悪くはないけどさ、そこまでじゃなくない…?
「菜々子、泰千くん、かっこいい?
そんなに見つめちゃって〜」
ニヤニヤしながら話しかけてきた由香。
「見つめてなんかないよ!!」
照れちゃって〜なんていう由香の肩を叩いた。