それはまるで魔法のようで
泰千のワイシャツ、汗と柔軟剤の匂いがする。
なんか、いい匂い。
私、この匂い好きだな…
…て、私はこのワイシャツをどうすればいいんでしょうか。
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太陽が完全に見えなくなった頃、バスケ部と泰千たちは片付けを終わらせた。
「おっ!!チビ、待っててくれたのか?」
「…なによ。泰千が私にワイシャツ渡すからでしょっ?どうすればいいか分かんなかったんだから!!」
「そうかそうか。サンキューな」
私の腕の中にあったワイシャツを取り出し、私の頭をぽんぽんした。
「…っ!!?」
「ああ、顔真っ赤ぁ〜」
「そ、そりゃあ、急に来たらビックリもしますよ!!」
やっぱりムカつく、こいつ。
…でも、こんなことで、しかも泰千相手に顔が熱くなる私にも苛立ちがあった。