それはまるで魔法のようで
次の日、私は今、数人の女子と一緒に朝から体育館の裏にいます。
それは、今から数分前のこと。
私の下駄箱には上履きが無くなっていました。
…マジか!?
誰だよ!!こんなことしたの。
仕方なくスリッパを借りに靴下のまま職員室に向かった。
「おっはよ、おチビちゃん。
…あれ?いつもより小さいと思ったら、靴履いてないじゃん?」
後ろから頭に手を置きながら話しかけてくる泰千。
…きっと、こいつのせいだ。
だって、陰からこそこそこっちを見て笑っている女子グループがいたんだもん。
「靴無いとホントに視界に入らないや」
クククッて喉をならして笑ってるけど、ホントにそれどころじゃないのよね。
寒い季節じゃないとはいえ、足冷えちゃうし。
「じゃあ、お先に」
って言って泰千はさっさと行ってしまった。