【いつきの小説講座】
例えば胸がドキドキしているならば。

胸の奥で小さく脈打っているのか、心臓が耳にひっついたみたいにせわしなく鳴り響いているのか。

顔は誰が見てもわかるくらいに真っ赤なのか、誰にも悟られないように平然とした顔をしているのか、むしろ邪険に扱って悪ぶっているのか。

等々。

それから、空が青いならば。

どこまでも飛んでいけそうなくらい澄んでいて高く拡がった青空なのか、うっとうしいくらいに晴れ渡っているものだからまぶたを刺激してきてどうしようもなく涙がこぼれてきてしまうような青空なのか。

そして、風が吹いているならば。

風は前髪をさらりと揺らす程度なのか、肩をすくめて手で押さえなきゃいけないくらいに吹きすさんでいるのか。


こんな感じで出来る限りその場の状況にあったイメージを膨らませて書くようにしてみましょう。

そこから長いなぁ、って感じたら改めて短く書き直してみるのがいいと思います。

描写する力というのは物語を一枚の絵と例えるなら、その絵を描くための絵の具です。

描写力があるということは絵の具をたくさん持っているということで、絵の具が沢山あればあるほど色々と複雑な色で表現することができ、より深味のある作品が描けるということなんです。

だから日頃から気をつけてみるようにしてみてくださいね。

< 24 / 111 >

この作品をシェア

pagetop