スノードロップの医学書
しばらくして、スナヲはカーテンを開けて外へ出て行く。

この前と同じに木々などない荒野である。

色のないモノクロの世界がスナヲの心を和ましてくれる。
なぜだかスナヲにも解らない。


湖面の先に小島が見える。セーラー服の少女が流木に座って背中を見せる。

すると唄が聞こえてくる。


だれのだれの
さびた したい
うめつくしてく しろいはなびら

ゆらりゆらり おちる
つめたいつめたい ひかりが
とどくわ


だれのだれの だれと
わかちあう
ものでしょうか


しろく とぎれた
はなびら

ての ての
さしのべるてのひら
はてしないさきに


なにが なにが
まっているの
はてしない ときに
だかれて


なにが なにが
ほほの ながれいく
わたし わたしの


しのび くる
むげんの かなしさ
わたし わたしだけ
しってる かなしさ
しろいはなびら
つつんで あげるわ




☆☆
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