スノードロップの医学書

穴が開き卵は割れて外の空気に触れるヒナ。


「ねぇ、ディちゃん、目が開かないよ、」

*大丈夫、三日もしたらちゃんと目を開くことができるから、ヒナちゃん。


「そうなんだ、」

*それよりも他の卵を巣から落としなさい。


「えっ!なんで?」

*さっきも言ったように競争っていうことよ、そうしないと餌にありつけないからね、ヒナちゃん。


ヒナは、ディに言われるまま、他の卵を背中に乗せて巣から落としていく。

虚しく二個の卵は巣から下へと落ちていった。
見えないヒナはもう一個の卵だけは、どうしても巣から落とすことができなかった。
もたもたしているうちに卵は割れて雛鳥が出てくる。

ピィー ピィー



☆☆
< 27 / 28 >

この作品をシェア

pagetop