スノードロップの医学書

スナヲが目を開けると、真っ暗な空間でひんやりとした洞窟のようでもあった。


遠くの方向にランタンの炎が見えたので、そこへ近づいていくと。


アリウムの花の彫刻を刻まれた。木製の古くさい大きな扉が主張するように存在していた。


すると、

「開けますか?」


背の高い看護師がそう言って立っていた。

手には大きな注射器を抱えている。


その薄気味悪い姿を見て、僕は言葉を失う。




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