.:*・'仮恋〜甘い声で惑わす君〜.:*・'
会話も何もないあたしたち。
でも、なんか心地いいかも・・・。
あたしたちに吹く5月の風に目を細める。
「・・・なぁ・・」
「・・・なんですか?」
「・・・・お前さ、
俺の仮の恋人になれ・・・」
「・・・・・えっ!!?」
びっくりして思わず立ち上がる。
「い、今なんて言いました!?」
「ん?だからさ、仮の恋人なれって言ってんだけど」
コイビト・・・?
コイビトってあの恋人!?
「な、な、なんでですか!?
だって、鳥羽君。確か、彼女いますよね!?」
「あっ、やっぱり知ってんだ?
俺に彼女いること・・・」
唾をごくと飲み込んでコクっと頷く。
知らないわけがない。
鳥羽君には確か大塚樹奈さん(おおつかじゅな)ってゆう、彼女がいたはず。