.:*・'仮恋〜甘い声で惑わす君〜.:*・'
少しイライラしながら、鳥羽君の横に座る。
「なんだよ、怒ってる割にはちゃんと来るし」
「そっ、それはっ!来いって言われたから」
「ふーん、随分と素直なんだね」
あたしのこと絶対バカにしてるっ!
ニヤッと笑ってる鳥羽君からふいっと顔を背け、お弁当を食べ始める。
パクッと卵焼きにかぶりつく。
ん、今日も美味しくできた。
あたしのお母さんは家事が大の苦手で家事全般のことはあたしが一人でやってる。
最初はあたしも全くできなかったけど、だんだん慣れてきて、今は当たり前のようになっている。
「・・・ふーん、お前って弁当なんだ」
いつの間にかあたしの開けた一人分のペースを詰め、鳥羽君があたしのお弁当を覗いてきた。