.:*・'仮恋〜甘い声で惑わす君〜.:*・'



「えっ・・・」



「えっじゃ、ねぇだろ?俺たち、同い年なんだし、敬語だとなんか一線引かれてる感じするし」



呆れたような顔をしながら、あたしを見つめる。



鳥羽君、そんなこと考えてたんだ。



あたし、何気なく敬語になっちゃってたから、何にも感じなかったけど。



「ごめんなさい。これからは、普通に話すね?」



「よし、それでいい。
あと、その鳥羽君ってのもやめてくんない?」



「えっ?んじゃ、何て呼べばいいの?」




「呼び捨てだよ。恭弥って」



「えぇ!!そんなの、無理だよ!」



今まで名前で呼んだことないのに!
しかも、呼び捨てなんかにしたら、余計みんなに怪しまれる!




「あの、呼び捨ては・・ちょっと」



「はぁ?なんでだよ」



「だって、そんなことしたらあたしが鳥羽君と関係があるって分かっちゃうじゃん!」



あたしの言葉を聞くと鳥羽君がはぁとため息をつく。



「だから、俺は樹奈と別れるために優実を仮の恋人にしてんの。
だから、優実との関係がばれたほうがいいわけ、分かる?」


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