.:*・'仮恋〜甘い声で惑わす君〜.:*・'
「それじゃ、あたしがみんなにいじめられちゃうよっ!」
「あぁ、だから今日も速攻で逃げたのか」
納得したように頷く鳥羽君。
「納得してないでよ!とにかく、あたしは嫌だからねそんなこと」
むぅっと怒りながら鳥羽君を見ると、ニコッと鳥羽君が笑う。
「大丈夫、優実になんかあったら、俺が守るし。
・・・それにお前、昨日助けてもらったんだから、これくらい当たり前なんじゃないのかな?」
また、にやっと意地悪な笑みを浮かべる。
「分かったよ!呼べばいいんでしょ!」
半分ヤケクソになりながら、答える。
すると鳥羽君は納得したように微笑む。
「よし、俺はちょっと用があるからじゃあな」
あたしの頭をぽんっと触り校舎の方に歩いて行った。
なんなのよ、自分勝手なくせに守るからって・・・。
一瞬、ドキッとしてしまった自分に蓋をした。