.:*・'仮恋〜甘い声で惑わす君〜.:*・'
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「おっ!ご苦労だったな、佐伯。
もう、帰っていいぞ!」
「はい・・失礼します・・・」
小さく返事をして職員室から出る。
思わずため息をつく。
もう、なんで今日日直だったんだろ。
放課後、いつも通り、家に帰ろうとしたあたしは先生に捕まってしまって、資料作りを頼まれてしまった。
おかげでこんなに遅くなっちゃうし、今日は藍香と一緒にカフェに行く予定だったのに・・・。
「はぁぁー・・・」
また、大っきなため息をついて生徒玄関に向かう。
「うわ、真っ暗・・・」
外を見ると真っ暗で少しだけ怖くなってきた。
早く家帰んないと・・。
急いで靴を履いて、外に出る。
「・・・随分と遅かったな」
「えっ・・・」
聞きなれたその声に振り向く。
「えっ、鳥羽君!?」