.:*・'仮恋〜甘い声で惑わす君〜.:*・'



ー****



「おっ!ご苦労だったな、佐伯。
もう、帰っていいぞ!」



「はい・・失礼します・・・」



小さく返事をして職員室から出る。



思わずため息をつく。



もう、なんで今日日直だったんだろ。



放課後、いつも通り、家に帰ろうとしたあたしは先生に捕まってしまって、資料作りを頼まれてしまった。



おかげでこんなに遅くなっちゃうし、今日は藍香と一緒にカフェに行く予定だったのに・・・。



「はぁぁー・・・」



また、大っきなため息をついて生徒玄関に向かう。



「うわ、真っ暗・・・」



外を見ると真っ暗で少しだけ怖くなってきた。



早く家帰んないと・・。



急いで靴を履いて、外に出る。



「・・・随分と遅かったな」



「えっ・・・」



聞きなれたその声に振り向く。



「えっ、鳥羽君!?」


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