.:*・'仮恋〜甘い声で惑わす君〜.:*・'
「まぁ、佐伯は授業態度も悪くはないから、今回のテストは免除してやるよ」
「ほ、本当ですか!?」
ばっと顔を上げて目を輝かせる。
「ただし、追試を受けて80点以上とったらなっ!」
ビシッと人差し指を向けられビクッとなってしまう。
「わかったな?80点以下なら、容赦なく下げるぞ」
「はっ、はい・・・」
ー****
「はぁーーー・・・」
「まぁ、どんまいだって」
「そんなこと言われても・・」
勉強しなくても、元々頭の良い藍香。
あたしなんてすっごい頑張ってこの高校入ったのに・・・。
むすぅとなりながら机にうなだれる。
「ねぇ、藍香教えてよ。数学」
「あっ、ごめんね優実それは出来ない」
「なんでっ!?」
「だって、三日後でしょ?あたしそれまでバイトだし。それに今日は彼氏と初デートだしっ!」
鼻歌を歌いながら、彼氏とのLINEに夢中の藍香。
酷すぎる・・友達より、彼氏だなんて・・。