.:*・'仮恋〜甘い声で惑わす君〜.:*・'
あたしがそう聞き返すとあぁと小さく返事をしてコンクリートに寝そべった。
「落ち着くんだよ、ここが。
女からキャーキャー言われなくて済むし一人で居られるから・・・」
そう言いながら、少しだけ目を伏せた。
結構、人気者って大変なんだなー。
あたしには無縁だから、他人事のようにしか感じないけど。
「なぁ、さっきの奴ってお前の彼氏?」
「・・・えっ?」
そんなことを考えてると急に話を振られた。
さっきの奴って・・・永沢君だよね?
あたしはふるふると首を横に振る。
「へぇ、そうなんだ・・・」
また、興味なさそうに相槌を打つと寝返りをうつ。
なんで、興味ないくせに聞いてくるんだろ・・・。
少しだけむぅとしながら、あたしも少しだけ間隔をあけて鳥羽君の近くに座る。