蒼色ルーム
「なぁ、葵。桃里さん怒らすなよ」
満員電車の中で葵をかばいながら聞く。
かばいながら電車乗るの、一緒に住み始めてからだよな。てか、ずっとしてる。
「私、悪くないもん」
お前は駄々をこねるガキか。
「桃里さんがいきなり、紺と付き合えって言うから」
「……は?桃里さんが?」
「そーだよ。あの、クソ野郎」
…それは、桃里さんが悪いよな。葵の気持ちを知らねーらそういうこと言えるんだろうけど。
「……紺は堂元さんがいるのに」
茜か……。そろそろ別れようって思ってること伝えるべきか。
「あのさ…葵────」