蒼色ルーム
「ただいまー」
玄関の扉を開けながら言う。
「お帰り」
瑠威さんより帰りが早い丸中さんが言ってくれる。こーゆーとこ、家だわ。
「手ぇ、洗えよ」
そこは、言われなくてもします。
荷物を置いてから、洗面台に向かい、手を洗う。
「なぁー葵ー」
「なんですか?丸中さん」
手を洗っていると、鏡越しに丸中さんと目が合う。
「あのさ、お前敬語ヤメロ。キモチ悪いし。だからタメで来い」
…う…え?いきなりですか?
てか、丸中さんは一応私より年上なんだからさ、タメはないでしょ。
「あ…の…丸中さん」
「あと、丸中ってのもヤメロ。桃里でいいから」
すごい目力で睨まれる。てか…理不尽にも程があるでしょ。流石に“桃里”はダメだから、さん付けでいいか。
「桃里さん、わかった。で…何のようなの?」
…やっぱり敬語使わないの気持ち悪い。あと、年上に対する罪悪感ハンパない。
「お前さ、田宮 紺ってやつ知ってる?」
タミヤ コン?