蒼色ルーム
蒼色23
文化祭当日。
一応、主人公である私は緊張する。
あー心臓バクバクいってるよ。



「落ち着きなよ葵」



千夏に背中を叩かれる。
…この人、手加減ないのね。



「ちゃんと赤ずきんだから」



…ちゃんと…。それは、衣装のおかげでしょ。
今日はね、桃里さんとかが来るんです。すごい、緊張してるの。



「今まで練習してきたことを信じなよ」

「わかった。ありがと」



千夏のわりに、いいこと言って励ましてくれる。



「頑張れ。その後は打ち上げだからね」



…あんたは、それが目的か。
もーさっき思ったこと取り消すぞー。



「遊佐、はじまる」

「あ、いくいく」



私は舞台袖で大きく深呼吸し、落ち着く。そして、前に進む。
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