蒼色ルーム
…瑠威さん……。
なんてことを聞くんですか…。すごく、聞きたいけど…聞きたくないよ。
「うん。可愛かったと思う」
テレビを見たまま答える桃里さん。心がけこもってるのかわからない。
私は桃里さんの隣まで行き、座る。
「本当に?」
一瞬驚く桃里さん。だけど、すぐに普通に戻って答える。
「本当に可愛かった」
………。
私の頭をくしゃくしゃと掻き回す桃里さん。どうしよう…泣きそうなぐらいに嬉しい。
「どうした葵」
クッションに顔をうずくめる私に声をかける桃里さん。
「何も…ない」
私はただ、声を変えずに答えるのが精一杯だった。