蒼色ルーム




「…葵…絆創膏外していい?」



リビングに戻ってきた紺は私の頬を触る。



「外してどーするの?」

「どうもしないけど、なんとなく」

「………いいよ。外しても」



私が了承すると、紺は割れ物を扱うかのように絆創膏を優しく外す。
なのに、皮膚が引っ張られて痛い。



「残るかな…これ」

「わかんない。でも、消えては欲しいよ……」



どうしてこんな気持になるんだろ。
昔、男子に作られた傷はどうでも良かったのに。
なのに…どうして?
< 149 / 250 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop