蒼色ルーム
「…葵…絆創膏外していい?」
リビングに戻ってきた紺は私の頬を触る。
「外してどーするの?」
「どうもしないけど、なんとなく」
「………いいよ。外しても」
私が了承すると、紺は割れ物を扱うかのように絆創膏を優しく外す。
なのに、皮膚が引っ張られて痛い。
「残るかな…これ」
「わかんない。でも、消えては欲しいよ……」
どうしてこんな気持になるんだろ。
昔、男子に作られた傷はどうでも良かったのに。
なのに…どうして?